もう一つ話題を提供しておこう
投稿者: valakooda 投稿日時: 2005/11/29 23:05 投稿番号: [104219 / 196466]
華南での調達戦略:香港拠点から中国大陸拠点へ
事業戦略in華南〜今からでも間に合う中国投資(8)−加藤修
前回、「世界の工場」であるがゆえに世界のバイヤーにとっては最高の調達基地となっている、珠江デルタを背景とした香港・華南地域における調達戦略の可能性について触れた。今回、それを実現するための拠点の設置や具体的な戦略構築について触れていく。
■典型的調達モデル
(1)香港への拠点設置
筆者が上海や北京に駐在しているころ、華南の情報が欲しいと言われたことはほとんどなかった。取引先には中国本部機能を担う企業も多かったが、なぜか中国というと北京・上海のことを指す風潮が強かったように思える。華南地区は香港を中心に発展しており、香港に情報が集中する。営業活動も香港−華南一体で行われる。物流も同様であり、上海から輸入し華南へ運ぶといったことはない。
こうしたマーケット環境下で、華南で物資を調達しようと思えば、まず香港に拠点を設置するのが通常だ。香港では2香港ドル(約30円)で会社が設置できる。会社設立に要する期間は、新たに会社を設立する場合には1カ月程度、休眠会社を買い取る形であれば2−3週間で可能だ。事務所経費や現地スタッフの給与水準は中国に比べ高いものの、個人所得税は15%程度、企業所得税は17.5%と安い。
香港に拠点を設置し、まずは香港で調達先を探すのである。中国の工場は香港に窓口を持っているケースも多く、香港で責任者に会うことができる。こうした文化もあってか、香港では来客と気安く会ってくれる。ただし実際の調達先となる工場は中国の中にある。このため香港に拠点を設置した後、バイヤーは製品に関する技術指導や品質管理のため、頻繁に中国内の工場へ出かけていくようになる。
(2)駐在員事務所の設置
香港から中国本土の工場への出張が頻繁になってくると、ことあるごとに香港から出かけていく労力が負担になり始め、だんだん中国国内にも拠点があった方が便利だということになってくる。こうした過程で深セン等に駐在員事務所を設置し、香港と分業で対応したいといったニーズが高まってくる。
香港現法からの駐在員事務所設置は外国企業のそれと同様であり、「代表処」というカテゴリーに入る。こうして深センでも事務所を持って中国人スタッフをアレンジし、委託生産先との設計図やサンプル品のやりとり、工場に出向いての技術指導や品質管理、出荷管理等の行為が増加していく。これらの作業拡大は駐在員事務所で抱える人員を増加させることとなり、100名を越える駐在員事務所も存在する。
ただ中国の法律は駐在員事務所の「営業行為」を禁止しており、次第にコンプライアンス上の問題を意識せざるを得ない。
(3)サービス会社の設置
駐在員事務所の次に考慮されるのがサービス会社である。主な業務を技術開発や技術指導とし、香港現法の購買をサポートする機能を担う。2006年1月から施行される中国の新「公司法」(会社法)によると、最低資本金は3万元であるが、実際には立ち上げ後の経費も考慮して資本金を設定する。
駐在員事務所からサービス会社に転換する際に、従業員との労働契約を派遣会社との契約から直接雇用契約に変更することになる。その際、一旦退職金を受け取った駐在員事務所の幹部職員が離職する可能性が高く、人事は一時混乱する。しかし落ち着いてしまえば直接雇用の方が管理はしやすい。
会社組織を整備したら、委託生産先にエンジニアを展開する。収入としては香港から技術指導委託費用を送金する。香港現法のためにサービス提供を行っているのであり、その対価をもらっても不思議ではない。(以下、次号に続く)(執筆者:みずほコーポレート銀行香港支店 中国アセアン・リサーチアドバイザリー課 次長・加藤修)
※本コラムはいかなる助言を含むものではなく、これによって生じた損害について、当行は責任を負いません。
写真は、香港の町並み。本コラムの内容とは関係なく、イメージ写真です。(提供:サーチナ&CNSPHOTO)
(サーチナ・中国情報局)
事業戦略in華南〜今からでも間に合う中国投資(8)−加藤修
前回、「世界の工場」であるがゆえに世界のバイヤーにとっては最高の調達基地となっている、珠江デルタを背景とした香港・華南地域における調達戦略の可能性について触れた。今回、それを実現するための拠点の設置や具体的な戦略構築について触れていく。
■典型的調達モデル
(1)香港への拠点設置
筆者が上海や北京に駐在しているころ、華南の情報が欲しいと言われたことはほとんどなかった。取引先には中国本部機能を担う企業も多かったが、なぜか中国というと北京・上海のことを指す風潮が強かったように思える。華南地区は香港を中心に発展しており、香港に情報が集中する。営業活動も香港−華南一体で行われる。物流も同様であり、上海から輸入し華南へ運ぶといったことはない。
こうしたマーケット環境下で、華南で物資を調達しようと思えば、まず香港に拠点を設置するのが通常だ。香港では2香港ドル(約30円)で会社が設置できる。会社設立に要する期間は、新たに会社を設立する場合には1カ月程度、休眠会社を買い取る形であれば2−3週間で可能だ。事務所経費や現地スタッフの給与水準は中国に比べ高いものの、個人所得税は15%程度、企業所得税は17.5%と安い。
香港に拠点を設置し、まずは香港で調達先を探すのである。中国の工場は香港に窓口を持っているケースも多く、香港で責任者に会うことができる。こうした文化もあってか、香港では来客と気安く会ってくれる。ただし実際の調達先となる工場は中国の中にある。このため香港に拠点を設置した後、バイヤーは製品に関する技術指導や品質管理のため、頻繁に中国内の工場へ出かけていくようになる。
(2)駐在員事務所の設置
香港から中国本土の工場への出張が頻繁になってくると、ことあるごとに香港から出かけていく労力が負担になり始め、だんだん中国国内にも拠点があった方が便利だということになってくる。こうした過程で深セン等に駐在員事務所を設置し、香港と分業で対応したいといったニーズが高まってくる。
香港現法からの駐在員事務所設置は外国企業のそれと同様であり、「代表処」というカテゴリーに入る。こうして深センでも事務所を持って中国人スタッフをアレンジし、委託生産先との設計図やサンプル品のやりとり、工場に出向いての技術指導や品質管理、出荷管理等の行為が増加していく。これらの作業拡大は駐在員事務所で抱える人員を増加させることとなり、100名を越える駐在員事務所も存在する。
ただ中国の法律は駐在員事務所の「営業行為」を禁止しており、次第にコンプライアンス上の問題を意識せざるを得ない。
(3)サービス会社の設置
駐在員事務所の次に考慮されるのがサービス会社である。主な業務を技術開発や技術指導とし、香港現法の購買をサポートする機能を担う。2006年1月から施行される中国の新「公司法」(会社法)によると、最低資本金は3万元であるが、実際には立ち上げ後の経費も考慮して資本金を設定する。
駐在員事務所からサービス会社に転換する際に、従業員との労働契約を派遣会社との契約から直接雇用契約に変更することになる。その際、一旦退職金を受け取った駐在員事務所の幹部職員が離職する可能性が高く、人事は一時混乱する。しかし落ち着いてしまえば直接雇用の方が管理はしやすい。
会社組織を整備したら、委託生産先にエンジニアを展開する。収入としては香港から技術指導委託費用を送金する。香港現法のためにサービス提供を行っているのであり、その対価をもらっても不思議ではない。(以下、次号に続く)(執筆者:みずほコーポレート銀行香港支店 中国アセアン・リサーチアドバイザリー課 次長・加藤修)
※本コラムはいかなる助言を含むものではなく、これによって生じた損害について、当行は責任を負いません。
写真は、香港の町並み。本コラムの内容とは関係なく、イメージ写真です。(提供:サーチナ&CNSPHOTO)
(サーチナ・中国情報局)
これは メッセージ 1 (messages_admin さん)への返信です.
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