新憲法反対演説
投稿者: nyankotyanndamon 投稿日時: 2012/05/03 13:44 投稿番号: [24299 / 28555]
○野坂參三君(續)
此の點に付ては私は志賀君が既に緊急動議の際説明を申したから、是れ以上餘り詳しくは申しませぬが、是は或る代議士も言はれましたが、此の憲法は將來日本がどうするか、斯う云ふものも之に含めて居る、斯う云ふ風に言はれる、さうすれば即ち現在既に我々の獲得したものを法的に之を確保するのではなく、將來我々が之を獲得しようとするもの、是は憲法ではない、憲法ではなくて、是は政府の政綱であり、或は政當の綱領である、我々は今ここに於て憲法を作る、綱領を作つて居るのではない、此の意味に於ても私は此の憲法提出はまだ時期尚早だと言ひ得ると思ふ、此の點に付て私は金森國務相の囘答を求めたいと思ふ
もう一つ言ひたいことは、是は「マッカーサー」司令部の方から、六月二十二日に斯う云ふことを指示して居る、即ち本草案の審議の手續が、詰り現行憲法と完全に法律上の聯關性を持たせること──法律上の聯關性を持たせること、斯う云ふことを言つて居る、現行憲法と此の草案との間に法律的な聯關性がなければならない、此の問題を私は金森國務相に特に御聽きしたい、一般に現行憲法第七十三條では、天皇が此の草案を出されるのであつて、之に對して議會は唯「イエス」か「ノー」かを言へる、之に對する修正權はないと云ふ風に今まで理解されて居る、是が大體に於て定説となつて居る、是は美濃部さんもさう言つて居る、宮澤氏も言つて居る、又最近では民間の憲法研究會もさう言つて居る、民主主義科學者同盟も斯う云ふ風に言つて居る、若しさうならば、本議會では唯七十三條の此の條項を修正して、さうして此の議會に於て修正權を與へるやうにしなければならぬ、是が先づ當然執るべき順序である、さうすると金森國務相に御聽きしたいのは、此の定説をどう云ふ風に解釋されるか、今まで金森或は總理大臣兩相の言はれる所に依れば、此の議場に於て修正して差支へないと言はれた、さうすれば此の七十三條をどう云ふ風に解釋されて斯う云ふことを言はれるのであるか、是が御聽きしたい
偖て其の次に、今の本問題になつて來る、「マッカーサー」司令部は、現憲法と新しい憲法草案との法律的繼續性を要求して居る、若し七十三條の憲法改正手續が、今までの定説が正しいならば、是は覆つて來る、少くとも重大な疑問が生れて來る、即ち若し政府が此の草案を修正することを認めるならば、今までの此の定説に依つて、現行憲法に牴觸することになる、違法になつて來る、隨て法律的繼續性はなくなつて來る、私は恐らく、聯合國側ではなぜ斯う云ふことを要求するかと云へば、假に將來聯合國側が日本を撤退した場合に於て、假に又日本に反動勢力が擡頭した場合に、此の反動勢力が今言つたやうな手續上の不備或は疑問、之を基礎にして、此の新しい憲法は、是は違法である、第七十三條に違つて居る、斯う云ふことを彼等が主張して、さうして新しい憲法を蹂躪ると云ふ危險、可能性が生れて來て居る(拍手)之に付て私は吉田總理大臣及び金森國務相に御聽きしい
私が此處で特に強調したいことは、なぜ此の憲法草案を通過することに、こんなに急がなければならないかと云ふことである、政府の説明では、平和會議に早く參加しなければならないし、國際的仲間に早く入らなければならない、勿論我々は之に贊成だ、併し國際的信用と云ふものは、唯一つの憲法を作ると云ふだけに依つて、之を我我は獲得することは出來ない、實質的に日本に民主主義を確立して、其の時に初めて國際的信用が出來て來る、然るに現實の事實はどうかと云へば、即ち政府の今日までやつて居る此の事實を見ると、戰爭犯罪人の追究は非常に緩漫であり、消極的である、軍國主義者、反動的分子は公然又は陰然と活動を續けて居る、斯う云ふ状態である、又徳田球一君が此處で申したやうに、各地方に於て色々人權蹂躪の事實が擧つて居る、是等の事實、是は明かに反民主主義的な事實である、眞に國際的な信用を得んとするならば、此のやうな反民主主義的事實を日本に消滅しなければならぬ、此の時に於て初めて國際的信用が上つて來ると思ふ(拍手)私の思ふ所では、政府の眞の意圖は何處にあるかと云へば、今尚ほ人民大衆の間に於ける民主主義が十分成長する前に民主主義的でない憲法を作つて、さうして人民の徹底した民主主義的要求を抑へると云ふ所に、ここに政府の根本意思がある
もう一つ言ひたいことは、是は「マッカーサー」司令部の方から、六月二十二日に斯う云ふことを指示して居る、即ち本草案の審議の手續が、詰り現行憲法と完全に法律上の聯關性を持たせること──法律上の聯關性を持たせること、斯う云ふことを言つて居る、現行憲法と此の草案との間に法律的な聯關性がなければならない、此の問題を私は金森國務相に特に御聽きしたい、一般に現行憲法第七十三條では、天皇が此の草案を出されるのであつて、之に對して議會は唯「イエス」か「ノー」かを言へる、之に對する修正權はないと云ふ風に今まで理解されて居る、是が大體に於て定説となつて居る、是は美濃部さんもさう言つて居る、宮澤氏も言つて居る、又最近では民間の憲法研究會もさう言つて居る、民主主義科學者同盟も斯う云ふ風に言つて居る、若しさうならば、本議會では唯七十三條の此の條項を修正して、さうして此の議會に於て修正權を與へるやうにしなければならぬ、是が先づ當然執るべき順序である、さうすると金森國務相に御聽きしたいのは、此の定説をどう云ふ風に解釋されるか、今まで金森或は總理大臣兩相の言はれる所に依れば、此の議場に於て修正して差支へないと言はれた、さうすれば此の七十三條をどう云ふ風に解釋されて斯う云ふことを言はれるのであるか、是が御聽きしたい
偖て其の次に、今の本問題になつて來る、「マッカーサー」司令部は、現憲法と新しい憲法草案との法律的繼續性を要求して居る、若し七十三條の憲法改正手續が、今までの定説が正しいならば、是は覆つて來る、少くとも重大な疑問が生れて來る、即ち若し政府が此の草案を修正することを認めるならば、今までの此の定説に依つて、現行憲法に牴觸することになる、違法になつて來る、隨て法律的繼續性はなくなつて來る、私は恐らく、聯合國側ではなぜ斯う云ふことを要求するかと云へば、假に將來聯合國側が日本を撤退した場合に於て、假に又日本に反動勢力が擡頭した場合に、此の反動勢力が今言つたやうな手續上の不備或は疑問、之を基礎にして、此の新しい憲法は、是は違法である、第七十三條に違つて居る、斯う云ふことを彼等が主張して、さうして新しい憲法を蹂躪ると云ふ危險、可能性が生れて來て居る(拍手)之に付て私は吉田總理大臣及び金森國務相に御聽きしい
私が此處で特に強調したいことは、なぜ此の憲法草案を通過することに、こんなに急がなければならないかと云ふことである、政府の説明では、平和會議に早く參加しなければならないし、國際的仲間に早く入らなければならない、勿論我々は之に贊成だ、併し國際的信用と云ふものは、唯一つの憲法を作ると云ふだけに依つて、之を我我は獲得することは出來ない、實質的に日本に民主主義を確立して、其の時に初めて國際的信用が出來て來る、然るに現實の事實はどうかと云へば、即ち政府の今日までやつて居る此の事實を見ると、戰爭犯罪人の追究は非常に緩漫であり、消極的である、軍國主義者、反動的分子は公然又は陰然と活動を續けて居る、斯う云ふ状態である、又徳田球一君が此處で申したやうに、各地方に於て色々人權蹂躪の事實が擧つて居る、是等の事實、是は明かに反民主主義的な事實である、眞に國際的な信用を得んとするならば、此のやうな反民主主義的事實を日本に消滅しなければならぬ、此の時に於て初めて國際的信用が上つて來ると思ふ(拍手)私の思ふ所では、政府の眞の意圖は何處にあるかと云へば、今尚ほ人民大衆の間に於ける民主主義が十分成長する前に民主主義的でない憲法を作つて、さうして人民の徹底した民主主義的要求を抑へると云ふ所に、ここに政府の根本意思がある
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