対米全面テロ

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平静でいることの勇気

投稿者: chanticleer_002 投稿日時: 2001/09/12 16:36 投稿番号: [8603 / 177456]
ケンタッキー州の大学にいます。日本との時差13時間。東部時間帯です。アメリカの田舎の様子をお伝えします。
ここは最も近い墜落地点からも500キロ程度離れているので、大きな混乱はなかったものの、近くにFort Knox空軍基地があるために、午前中の緊張は相当なものでした。普段は学内情報を流しているロビーのテレビが、NBCに切り替わると、その前には、学生・教職員の静かな人垣が出来ました。その表情は皆こわばっていて、ショックの様がありありと読み取れました。今朝、Good morning.という挨拶の声は一度として聞きませんでした。
昼過ぎ、職場の上司とその夫君とともに、献血に向かいました。市の中心街にある赤十字はすでに満杯との情報を受けたため、郊外にあるもう一つの赤十字オフィスに向けて車を走らせました。30分かけて到着したところ、そこも希望者の長蛇の列。私たちは、時間の制約上、今日はあきらめざるを得ませんでした。100メートルは優にあったその列の中には、作業服を着た若い人、スーツ姿、年配の夫婦など、人種性別年齢を越えてさまざまな人の姿がありました。
降り注ぐ暖かい日差しの中、静かに伸びていく人の列からは、悲しみと同時に市民としての矜持のようなものを感じました。半世紀以上前、真珠湾攻撃を受けた時も、人々はこんなふうに赤十字の前に並んだのかもしれません。
午後、学長から全学に向けての一斉Eメールが送られてきました。「この難局の中、あえて平静を保ち、大学を学びの場として通常どおり機能させることこそ、私たちができる最大の抵抗である。従って休校措置はとらない。互いに支えあいながら進んで行こう」といった内容でした。
他にテロ犠牲者への全学黙とうの時刻、心のケアのため各キャンパスに用意されたカウンセリングサービスの案内、献血のすすめと赤十字の所在地などが記されていました。
学長のメールを受け取る前から、オフィスでは、仕事の能率がかなり通常のペースに近づいていました。「ペース乱したらテロリストの思うつぼ」とか言い合いながら表情は相変わらず固いまま仕事しているところに、先行き不安な気持ちを隠した、やせ我慢の気配はあったものの、この国民が見せる緊急時の士気の高さをまざまざと感じました。
「家に帰って、この事件についてうちの子どもたちにしっかり話をしなくては」という声も多く聞かれました。これは、不安を表現できずにおびえている全国の子供たちに、「大丈夫。安心していいよ」と、近くの大人たちがしっかり伝えて無用な不安を取り除いてあげて欲しい、という、自身スクールカウンセラーであったブッシュ大統領夫人の呼びかけに対する反応のようでもあり、テロという暴力の非道さを、親として子どもにしっかり伝えなければという責任感の表明のようでもありました。
アメリカの弱さが露呈したかに言われるこのテロ事件ですが、天の邪鬼な私は、この国の片田舎で、今日一日アメリカ人の強さを見たような気がします。中でも、「平静であることの勇気」ということについて、自分を振り返って考えさせられました。
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