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<バックナンバー>

投稿者: rrpens 投稿日時: 2001/09/14 13:34 投稿番号: [26894 / 177456]
2001年9月14日
伊良部解雇、愚かな決断



  伊良部秀輝が、モントリオール・エクスポスを解雇された。

  経緯は皆さん、ご存知の通り。度重なる故障で期待を裏切り続けてきたところに、ようやく復帰かと思ったら、3Aでのテスト登板前日に深酒をして病院に担ぎ込まれ、この一件が最終的な引きがねになったという。

「もうこれ以上耐えきれない」そうな。

  まったく馬鹿なことをしたもんだ。

  伊良部ではない。モントリオール球団の方だ。一体、どこに伊良部を解雇する意味があるのかしら、シーズンを1カ月残したこの段階で。あのチームの中では、伊良部は十分に中心戦力であり、かつ数少ない名前と顔が一致する選手である。

  チームの士気にかかわる?

  ないだろ、そんなもの、最初から。

  才能ある選手は「金が払えない」とみんな放出しちゃう。ペドロ・マルチネスも、モイゼス・アルーもそうだった。結果、売れ残ったロートルと売れる前の若手ばかりが集まる選手の平均年俸は、トップのロサンゼルス・ドジャースの十分の一。

  はなから勝つ気がないのは、誰の目にも明らか。営業努力の痕跡も見えない。屋根が落ちるなど老朽化著しいオリンピック・スタジアムに、1万人入ることはまずない。テレビ放映はここ2年ない。昨年はラジオ放送すらなかった。

  そんな経営者が「士気にかかわる」とか「球団のイメージが」なんて言ったって、説得力はありませんよ。それよりも、どうせ「数億円の投資」をしたんだから、最後まで利用したらいいのに。「二日酔いの太っちょ」だって、恐らくあの投手たちよりは上だ。面子のために勝負を捨てるのは、プロ球団としてはしたない。

  故障を理由にするといったって、けがで2年間まともに働いていない選手は掃いて捨てるほどいる。マーク・マグワイア、ブレット・セイバーヘイゲン、トッド・ストットルマイヤー……。

  だいたい、お抱え記者による解雇記事を球団のホームページに流して様子見するような余計なことをする暇があったら、フランス語圏のモントリオールに野球は根付かなかったし、今後も根付くことはないという現実を直視したらどうだろう。

  コミッショナーのバド・シーリッグが提案しているように、チームを畳むか、身売りするのか。一時の感情で選手をクビにするより、よっぽど重要な決断がほかにあるだろうに。


【プロフィール】
小林   至   Itaru Kobayashi   1968年東京都生まれ。92年東京大学経済学部卒。91年11月、ドラフト会議で千葉ロッテマリーンズに8位指名され、入団。93年のシーズンをもって解雇される。94年6月、渡米し、95年1月にコロンビア大学経営学大学院(MBA)に入学、翌年5月卒業。同年9月からフロリダのケーブルテレビ局「ザ・ゴルフ・チャンネル」に入社し、コメンテーターとして活躍するも、会社を批判してまたクビに…。01年7月の参院選東京地方区に立候補し、落選。著書に『僕はアメリカに幻滅した』(太陽企画出版)。自ら編集長を務めるホームページはwww.spofan.com/itaru/。
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