イラク情勢マップ
投稿者: pyu_pyu_kitakaze 投稿日時: 2005/02/21 04:53 投稿番号: [172911 / 177456]
イラク選挙後、混乱の芽は消えず
2005年2月21日 持田直武
(長文のため,適当に要約。元のリンクを当たられたし。)
選挙は終わったが、混乱は終わる気配がない。議席140の第1党、シーア派連合は首相候補をめぐって分裂気味。新政権発足が遅れる懸念もある。第2党のク ルド同盟は大統領職を要求、自治拡大と石油利権の確保もねらう。一方、選挙をボイコットしたスンニ派は、一部武装勢力がシーア派の宗教行事をねらって集中 攻撃。内戦か、分裂か、いずれの芽も消えていない。
首相候補をめぐってシーア派内は2分
議席140の第1党シーア派は首相候補がなかなか決まらない。
同連合は、シーア派の最高権威シスターニ師が結成 した選挙のための連合組織だが、ジャーファリ党首はその中の宗教分野、チャラビ議長は世俗分野のシンボル的存在だ。
政策面では、ジャーファリ党首は出身母体ダワ党の宗教色を反映し、イスラム法を法制度の基準の1つとすることを主張している。一方、対立候補のチャラビ議長はまだ政策提言をしていないが、投票で首相候補を決定すべきだと要求して活発な多数派工作を展開。敗れた場合には、支持者を連れて統一イラク連合を離脱する考えもあるという。この動きに対し、シスターニ師が首相候補を指名し、混乱回避を図る動きもあるが、首相候補決定が遅れれば、国民議会の開催、その後の憲法起草などの政治日程にも影響することになる。
クルド族は石油利権と広範な自治を要求
議席75を獲得して第2党に躍進したクルド同盟は、クルド愛国同盟とクルド民主党の2政党で構成。愛国同盟のタラバニ議長を今回新政権の大統領候 補に決めた。クルド族は北部3省に主に居住し、独立が念願。
クルド同盟のもう1人の指導者、バルザニ・クルド民主党議長 は新政権下で次のような要求の実現を目指す考えを 明らかにした。
それによれば、10万人の兵力を持つクルド人民兵の維持。その指揮権をクルド自治政府が持ち、中央政府の軍隊が自治区に入る場合は自治政府の許可を得 る。自治政府が徴税権を持ち、中央政府への納税額も自治政府が決める。クルド居住区の境界沿いにある油田地帯、キルクークのクルド自治区への編入。石油開 発と輸出の主要な権限も自治政府が持つこと。以上のうち、キルクークなどを含む境界地帯はフセイン政権が大規模なクル ド族追放、アラブ人移住を実施したいわくつきの土地。これを元に戻すとすれば、すでに定住したアラブ住民が反発し、シーア派、スンニ派を含めたアラブ側の不満が増すのは間違いない。
このほか、上記のクルド族の要求には周辺関係国も無関心ではいられない問題が含まれている。バルザニ議長のインタビューをしたワシント ン・ポストは「クルド族の要求は独立要求と区別することが難しい」と述べた。同じクルド民族を国内に抱え、イラクの動きが国内に波及することを恐れるトルコやイラン、シリアなどが警戒心を高めるほか、米ブッシュ政権も懸念を示している。
混乱の場合、アラウイ首相は再亡命も考慮
アラウイ首相は「イラク新政権が私の安全を保障できないようなら、私は外国に移住する」と述べ、再亡命を示唆した。
イラクでは、アラウイ首相の危機感を一層高めるような事態が続いている。2月18−19日はシーア派の伝統あるアシュラ祭の日。それをねらってテロ攻撃が頻発。2日間で死者は70人を超えている。米軍やイラク暫定政府によれば、攻撃はフセイン政権の残党やヨルダン生れのテロリ スト、ザルカウイが率いるテロ集団だという。彼らも、スンニ派である。同派は選挙をボイコットしたこともあり、新議会の議席は5。シーア派幹部は妥協案を示し、スンニ派も受け容れる動きを見せた。しかし、今後もスンニ派のシーア派攻撃が続けば、協調気運は消える。シーア派が民兵を出動させれば、スンニ派との内戦になる。
ブッシュ政権はイラクの現状について、「選挙で歴史的転換をした」と評価したあと、沈黙している。ラムズフェルド国防長官は2月17日の上院外交委員会 で、マケイン上院議員から「イラクの武装勢力の数」を質問されたが、言を左右にして答なかった。国防長官がな ぜ答えなかったのか、理由はわからないが、ブッシュ政権は最近、シリアが武装勢力を支援していると非難を強めている。これと国防長官の沈黙は無縁ではないようだ。
持田直武 国際ニュース分析
http://www.mochida.net/report05/2iqkk.html
2005年2月21日 持田直武
(長文のため,適当に要約。元のリンクを当たられたし。)
選挙は終わったが、混乱は終わる気配がない。議席140の第1党、シーア派連合は首相候補をめぐって分裂気味。新政権発足が遅れる懸念もある。第2党のク ルド同盟は大統領職を要求、自治拡大と石油利権の確保もねらう。一方、選挙をボイコットしたスンニ派は、一部武装勢力がシーア派の宗教行事をねらって集中 攻撃。内戦か、分裂か、いずれの芽も消えていない。
首相候補をめぐってシーア派内は2分
議席140の第1党シーア派は首相候補がなかなか決まらない。
同連合は、シーア派の最高権威シスターニ師が結成 した選挙のための連合組織だが、ジャーファリ党首はその中の宗教分野、チャラビ議長は世俗分野のシンボル的存在だ。
政策面では、ジャーファリ党首は出身母体ダワ党の宗教色を反映し、イスラム法を法制度の基準の1つとすることを主張している。一方、対立候補のチャラビ議長はまだ政策提言をしていないが、投票で首相候補を決定すべきだと要求して活発な多数派工作を展開。敗れた場合には、支持者を連れて統一イラク連合を離脱する考えもあるという。この動きに対し、シスターニ師が首相候補を指名し、混乱回避を図る動きもあるが、首相候補決定が遅れれば、国民議会の開催、その後の憲法起草などの政治日程にも影響することになる。
クルド族は石油利権と広範な自治を要求
議席75を獲得して第2党に躍進したクルド同盟は、クルド愛国同盟とクルド民主党の2政党で構成。愛国同盟のタラバニ議長を今回新政権の大統領候 補に決めた。クルド族は北部3省に主に居住し、独立が念願。
クルド同盟のもう1人の指導者、バルザニ・クルド民主党議長 は新政権下で次のような要求の実現を目指す考えを 明らかにした。
それによれば、10万人の兵力を持つクルド人民兵の維持。その指揮権をクルド自治政府が持ち、中央政府の軍隊が自治区に入る場合は自治政府の許可を得 る。自治政府が徴税権を持ち、中央政府への納税額も自治政府が決める。クルド居住区の境界沿いにある油田地帯、キルクークのクルド自治区への編入。石油開 発と輸出の主要な権限も自治政府が持つこと。以上のうち、キルクークなどを含む境界地帯はフセイン政権が大規模なクル ド族追放、アラブ人移住を実施したいわくつきの土地。これを元に戻すとすれば、すでに定住したアラブ住民が反発し、シーア派、スンニ派を含めたアラブ側の不満が増すのは間違いない。
このほか、上記のクルド族の要求には周辺関係国も無関心ではいられない問題が含まれている。バルザニ議長のインタビューをしたワシント ン・ポストは「クルド族の要求は独立要求と区別することが難しい」と述べた。同じクルド民族を国内に抱え、イラクの動きが国内に波及することを恐れるトルコやイラン、シリアなどが警戒心を高めるほか、米ブッシュ政権も懸念を示している。
混乱の場合、アラウイ首相は再亡命も考慮
アラウイ首相は「イラク新政権が私の安全を保障できないようなら、私は外国に移住する」と述べ、再亡命を示唆した。
イラクでは、アラウイ首相の危機感を一層高めるような事態が続いている。2月18−19日はシーア派の伝統あるアシュラ祭の日。それをねらってテロ攻撃が頻発。2日間で死者は70人を超えている。米軍やイラク暫定政府によれば、攻撃はフセイン政権の残党やヨルダン生れのテロリ スト、ザルカウイが率いるテロ集団だという。彼らも、スンニ派である。同派は選挙をボイコットしたこともあり、新議会の議席は5。シーア派幹部は妥協案を示し、スンニ派も受け容れる動きを見せた。しかし、今後もスンニ派のシーア派攻撃が続けば、協調気運は消える。シーア派が民兵を出動させれば、スンニ派との内戦になる。
ブッシュ政権はイラクの現状について、「選挙で歴史的転換をした」と評価したあと、沈黙している。ラムズフェルド国防長官は2月17日の上院外交委員会 で、マケイン上院議員から「イラクの武装勢力の数」を質問されたが、言を左右にして答なかった。国防長官がな ぜ答えなかったのか、理由はわからないが、ブッシュ政権は最近、シリアが武装勢力を支援していると非難を強めている。これと国防長官の沈黙は無縁ではないようだ。
持田直武 国際ニュース分析
http://www.mochida.net/report05/2iqkk.html
これは メッセージ 172910 (pyu_pyu_kitakaze さん)への返信です.
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