対米全面テロ

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「現世で解決すること自体が否定的」

投稿者: r911911911 投稿日時: 2003/06/18 17:34 投稿番号: [157627 / 177456]
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4061495887/qid=1055851510/sr=1-2/ref=sr_1_2_2/250-1943480-4813029
○読み終わりましたので、せっかくですからこのトピに直接関わり、現在進行形の状況とも重なる部分を紹介させて頂きます。


イスラーム主義の政治イデオロギーとしての有効性の要因
(1)パレスチナ全域を覆う「イスラーム国家」において、ユダヤ教徒が服属したうえでその生存を許されるという「イスラーム的解決策」を代替肢として念頭に置き、暫定自治政府の「妥協」を異教徒への従属として批判する。
(2)他の勢力が妥協を余儀なくされる中、和平反対の立場からの政治参加への経路を提供する。
(3)自爆テロを行いうる非合理的動員力によって和平プロセスを頓挫させる。

ハマースやイスラーム・ジハード運動といったパレスチナのイスラーム主義運動は、現在のところ、あくまでもイスラエルという直接的な外敵への抵抗を行っている。いわば「世界革命を念頭においた一国革命」である。ビン・ラーディンをはじめとするイスラーム原理主義勢力は、ここに「世界革命を優先」させる運動を持ち込んだといえよう。

しかし宗教的な理念に依拠する和平反対派の伸張や、それに呼応したイスラーム原理主義の国際展開がパレスチナ問題の解決を導く現実的可能性は、高くない。ユダヤ教徒に価値的劣位性を認めさせる形でのイスラーム国家の建設という、イスラーム主義の立場が楽観的に前提とする「解決策」が、国際社会の承認を得る事態は近い将来には想像し難い。宗教的な規範に基づいているために、妥協による問題解決を拒絶する姿勢は、マルクス主義的な世界革命・人民闘争論以上に強固である。

さらに危険な兆候は、アラブ世界の終末論の流行の中で、パレスチナに象徴される「イスラーム世界とユダヤ・アメリカ十字軍の闘い」を終末的な意味合いをもった闘争と受け止める傾向が出現してきていることである。ここに至っては、そもそも問題を現世で解決しようとすること自体が、否定的に評価されるのである。

『現代アラブの社会思想』池内恵、講談社現代新書、2002年1月20日第一刷発行、P128-129より抜粋

池内恵:1973年東京生まれ。1996年東京大学文学部イスラム学科卒業。東京大学大学院総合文化研究科博士課程を経て、2001年4月よりアジア経済研究所研究員。
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