飢餓に帰される難民
投稿者: katakurichon 投稿日時: 2002/09/08 00:16 投稿番号: [146900 / 177456]
アフガン・プロジェクト報告
PMS(ペシャワール会医療サービス)総院長 中村哲
2002年8月20日
飢餓に帰される難民
アフガニスタンに帰還する難民が春から急増し、6月中旬で百万人を超えた。さらに帰還は続いているが、8月に入ってややペースが落ちている。少なくともペシャワール周辺では、出稼ぎ難民が殆どで、厳冬を過ぎ、国際援助を当てにして帰った者が多かった。特に、北部の非パシュトー住民は、政府関係の雇用を期待して帰還した。
しかし、激しい旱魃が収まる気配は見られない。もともと過去数年続きの大旱魃で、職を求めてパキスタンに逃れていた者が多かったので、せっかく帰還しても故郷に帰れず、大都市、特にカブールに人口があふれている。しかも、期待した各国の支援は、日本を除くと寥々たるもので、失望感が広がっている。
悪化する治安と追い詰められる帰還難民
一方、米軍の地上軍事活動は拡大しており、アフガン東部においても散発的な爆撃があり、「アルカイダ掃討」として地元民に発砲、死傷者を出す事件が相次いでいる。米軍はパキスタンの国境地帯の自治区にも展開し、部族民と衝突、戦火は拡大していると判断してよい。現在、米兵6000名、首都カブールの国際治安維持軍が4000名で、かろうじて点と線を確保している状態である。
アフガン側内部でも党派や部族間の抗争が至る所に現れはじめ、カブールでは欧米兵士による婦女暴行事件が伝えられ、売春が噂されるなど、モラルの退廃と混乱が現実のものとなってきている。市内では、不明の爆破事件が日に日に数を増している。
だが多くの人々にとっては、今冬を如何に乗り切るかが課題である。飢餓に瀕する膨大な人口が動き始めると、収拾のつかない事態となろう。既に、現状に失望した難民たちのユーターン現象が始まっている。実際、ペシャワールに残存する難民が帰還を拒否し始め、25万人が「再難民化」したと報ぜられている。悲観的な観測が国連関係者の間でもささやかれ、「(破局への)時限爆弾が既に時を刻み始めた」とのコメントもある。
ペシャワール会=PMS(ペシャワール会医療サービス)では、予想される今秋の大量の人の動きが、将来を占う大きな分かれ目になると見ている。
PMS(ペシャワール会医療サービス)総院長 中村哲
2002年8月20日
飢餓に帰される難民
アフガニスタンに帰還する難民が春から急増し、6月中旬で百万人を超えた。さらに帰還は続いているが、8月に入ってややペースが落ちている。少なくともペシャワール周辺では、出稼ぎ難民が殆どで、厳冬を過ぎ、国際援助を当てにして帰った者が多かった。特に、北部の非パシュトー住民は、政府関係の雇用を期待して帰還した。
しかし、激しい旱魃が収まる気配は見られない。もともと過去数年続きの大旱魃で、職を求めてパキスタンに逃れていた者が多かったので、せっかく帰還しても故郷に帰れず、大都市、特にカブールに人口があふれている。しかも、期待した各国の支援は、日本を除くと寥々たるもので、失望感が広がっている。
悪化する治安と追い詰められる帰還難民
一方、米軍の地上軍事活動は拡大しており、アフガン東部においても散発的な爆撃があり、「アルカイダ掃討」として地元民に発砲、死傷者を出す事件が相次いでいる。米軍はパキスタンの国境地帯の自治区にも展開し、部族民と衝突、戦火は拡大していると判断してよい。現在、米兵6000名、首都カブールの国際治安維持軍が4000名で、かろうじて点と線を確保している状態である。
アフガン側内部でも党派や部族間の抗争が至る所に現れはじめ、カブールでは欧米兵士による婦女暴行事件が伝えられ、売春が噂されるなど、モラルの退廃と混乱が現実のものとなってきている。市内では、不明の爆破事件が日に日に数を増している。
だが多くの人々にとっては、今冬を如何に乗り切るかが課題である。飢餓に瀕する膨大な人口が動き始めると、収拾のつかない事態となろう。既に、現状に失望した難民たちのユーターン現象が始まっている。実際、ペシャワールに残存する難民が帰還を拒否し始め、25万人が「再難民化」したと報ぜられている。悲観的な観測が国連関係者の間でもささやかれ、「(破局への)時限爆弾が既に時を刻み始めた」とのコメントもある。
ペシャワール会=PMS(ペシャワール会医療サービス)では、予想される今秋の大量の人の動きが、将来を占う大きな分かれ目になると見ている。
これは メッセージ 1 (messages_admin さん)への返信です.
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