「割れ窓理論」 世界日報
投稿者: arisugawahiro_0 投稿日時: 2002/08/02 23:59 投稿番号: [145762 / 177456]
2002年8月1日
犯罪統計国際比較/NYに学び治安悪化阻止を
日本の治安悪化を憂慮する声が各方面から出ているが、諸外国と比較して実際はどうなのか。小紙の行天慎二ロンドン特派員が、英国内務省が先月中旬に発表した犯罪統計国際比較を基に報告している(7月30日付)。
暴力犯罪が驚異的に増加
犯罪統計国際比較は、各国の届け出犯罪(警察に記録されたもの)データを基に、欧州連合(EU)各国と日、米など三十七カ国を対象に一九九〇年から二〇〇〇年までを比較したもの。それによると、犯罪総数全体の過去五年間(九六年−二〇〇〇年)における増加率で日本は、スロベニアの84%、ポーランド41%などに次ぐ35%で、東欧諸国とともに高い犯罪増加率を示している。
犯罪の中でも各国で深刻化しているのは、暴行や強盗、性犯罪などの暴力犯罪だが、この増加率で日本はトップの72%と驚異的な伸びを記録している。
もっとも、暴力犯罪の中でも、特に凶悪な殺人事件の増加率では、ニュージーランド57%、英国25%に対して日本は14%と低い。また、各国の主要都市における過去二年間(九八年−二〇〇〇年)の殺人事件発生率(人口十万人当たり)でも、ワシントン(米)45・79人やモスクワ(ロシア)18・20人に比べ、東京は1・22人と格段に低い。こと殺人事件に関して東京は、欧米の各都市よりもはるかに安全と言っていい。
かつて治安の最もいい国を誇った日本は、その片鱗を首都の殺人事件発生率の低さに残しているが、一方で犯罪の増加率などでは極めて憂慮すべき事態にある。
折しも、夏休みに入った先月下旬は凶悪事件が相次いだ。
JR東京駅構内では、万引き犯を追跡したコンビニ店長が、犯人に刃物で刺され、出血多量で死亡した。後日、犯人は逮捕されたが、店長は目の前の小さな犯罪と戦い、凶刃の前に倒れた。
東京駅構内には約二百五十のコンビニや飲食店があり、その多くの店で毎日のように万引き被害が出ているとみられている。しかし、今年に入って今回の事件までに警察に被害届が出たのは、わずか三件である。千円ぐらいの被害で届けを出しても、事情聴取などに時間をとられ、営業に支障を来すことから、店側も届け出ないからである。
だが、こうした小さな犯罪を見逃していくことが、万引き犯を増やし、増長させ、より凶悪な犯罪に走らせる。目の前の利益を追うツケは、大きく膨らんで社会に跳ね返ってくる。それを考えるべきである。
「(息子は)犯人を取り押さえることはできなかったが、人としてやるべきことをやったと思う」
元警察幹部で、無念の死を遂げた店長の父親が、悲しみのどん底にあって語った言葉には、深く心打たれる内容がある。
犯罪の“芽”摘むのが大切
かつて、“犯罪都市”とまで言われたニューヨークの治安を回復させたのは「割れ窓理論」である。「一枚の割れたガラスを放置すると街全体が荒れ、犯罪が増加する」(米国の刑事司法学者ジョージ・ケリング博士)というもので、犯罪は“小さな芽のうちから摘む”ことが大切だと説いている。身辺で多発する小さな犯罪に、警察と地域住民が力を合わせて取り組む。それが重要犯罪も防止する−という考え方で、地域巡回を強化して犯罪抑止に効果を上げたというのである。
いま日本は、これ以上の治安悪化をブロックするために、ニューヨークの教訓を学ぶ必要がある。
犯罪統計国際比較/NYに学び治安悪化阻止を
日本の治安悪化を憂慮する声が各方面から出ているが、諸外国と比較して実際はどうなのか。小紙の行天慎二ロンドン特派員が、英国内務省が先月中旬に発表した犯罪統計国際比較を基に報告している(7月30日付)。
暴力犯罪が驚異的に増加
犯罪統計国際比較は、各国の届け出犯罪(警察に記録されたもの)データを基に、欧州連合(EU)各国と日、米など三十七カ国を対象に一九九〇年から二〇〇〇年までを比較したもの。それによると、犯罪総数全体の過去五年間(九六年−二〇〇〇年)における増加率で日本は、スロベニアの84%、ポーランド41%などに次ぐ35%で、東欧諸国とともに高い犯罪増加率を示している。
犯罪の中でも各国で深刻化しているのは、暴行や強盗、性犯罪などの暴力犯罪だが、この増加率で日本はトップの72%と驚異的な伸びを記録している。
もっとも、暴力犯罪の中でも、特に凶悪な殺人事件の増加率では、ニュージーランド57%、英国25%に対して日本は14%と低い。また、各国の主要都市における過去二年間(九八年−二〇〇〇年)の殺人事件発生率(人口十万人当たり)でも、ワシントン(米)45・79人やモスクワ(ロシア)18・20人に比べ、東京は1・22人と格段に低い。こと殺人事件に関して東京は、欧米の各都市よりもはるかに安全と言っていい。
かつて治安の最もいい国を誇った日本は、その片鱗を首都の殺人事件発生率の低さに残しているが、一方で犯罪の増加率などでは極めて憂慮すべき事態にある。
折しも、夏休みに入った先月下旬は凶悪事件が相次いだ。
JR東京駅構内では、万引き犯を追跡したコンビニ店長が、犯人に刃物で刺され、出血多量で死亡した。後日、犯人は逮捕されたが、店長は目の前の小さな犯罪と戦い、凶刃の前に倒れた。
東京駅構内には約二百五十のコンビニや飲食店があり、その多くの店で毎日のように万引き被害が出ているとみられている。しかし、今年に入って今回の事件までに警察に被害届が出たのは、わずか三件である。千円ぐらいの被害で届けを出しても、事情聴取などに時間をとられ、営業に支障を来すことから、店側も届け出ないからである。
だが、こうした小さな犯罪を見逃していくことが、万引き犯を増やし、増長させ、より凶悪な犯罪に走らせる。目の前の利益を追うツケは、大きく膨らんで社会に跳ね返ってくる。それを考えるべきである。
「(息子は)犯人を取り押さえることはできなかったが、人としてやるべきことをやったと思う」
元警察幹部で、無念の死を遂げた店長の父親が、悲しみのどん底にあって語った言葉には、深く心打たれる内容がある。
犯罪の“芽”摘むのが大切
かつて、“犯罪都市”とまで言われたニューヨークの治安を回復させたのは「割れ窓理論」である。「一枚の割れたガラスを放置すると街全体が荒れ、犯罪が増加する」(米国の刑事司法学者ジョージ・ケリング博士)というもので、犯罪は“小さな芽のうちから摘む”ことが大切だと説いている。身辺で多発する小さな犯罪に、警察と地域住民が力を合わせて取り組む。それが重要犯罪も防止する−という考え方で、地域巡回を強化して犯罪抑止に効果を上げたというのである。
いま日本は、これ以上の治安悪化をブロックするために、ニューヨークの教訓を学ぶ必要がある。
これは メッセージ 1 (messages_admin さん)への返信です.
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