知られざる悲劇
投稿者: lovepeacemama 投稿日時: 2002/06/04 00:06 投稿番号: [142985 / 177456]
■ 知られざる悲劇
小林洋子
瀋陽領事館内連行事件は人道的措置により、ともあれ5人の命が助って良かった。だが、世界では、報道されていない多くの家族の悲劇が、我々の知らぬところできっと起こっている。
国際機関に勤めるM氏が7年前に初めて中東を訪れた時の話をしてくれた。シリアの国境辺り、一面に美しい花畑が続く。群生するピンクと黄の野生の花々。現地ガイドは淡々と説明する。「花を踏む人も動物も入れないから、お花畑になる。地雷が埋まっているんです」。Mさんはショックを受けた。
しばらく行くと、花畑の前にきれいな服を着た子供たちが並んでいるのが見えた。やがて、ジープがきて、降り立った男は列の中から次々に子供を選び始めた。「何だろうね。選ばれた子たちには良いことがあるのかな」。明るい話題を振ったつもりのMさんだったが、ガイドの声は沈む。「選ばれた子たちは売られるのです」「売られるって!奴隷?」「いえ、臓器売買のために売られる」
さらわれてきたか、親が売ろうとしているのか。「商品価値の高い」健康な子供に見えるようにきれいな格好をさせられている。不幸にはさまざまな形がある。だが、部品として売られる子供の人生とは。そして、それを救ってやれない自分とは一体……。M氏は声を詰まらせた。もちろん、この事と善意の臓器提供とを混同してはいけない。
世界の目が集まることで悲劇が少しでもなくせるとしたら、我々はまず、知ることから始めねばならない。(コラムニスト)<毎週月曜日に掲載>
(毎日新聞2002年6月3日東京朝刊から)
「世界の目が集まることで悲劇が少しでもなくせるとしたら、我々はまず、知ることから始めねばならない」
同感です。
これは メッセージ 142973 (lovepeacemama さん)への返信です.
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