京都新聞より抜粋
投稿者: pitapita101 投稿日時: 2002/02/23 19:36 投稿番号: [136274 / 177456]
医療活動に国境はない〜医師・永井真理さん
冷たい川に長時間立たされる拷問で両足切断となった農民。村を焼かれて母と兄弟を失い、逃げる途中に地雷で足を飛ばされた少年。心を病んだ母親から食事を与えられず餓死した赤ん坊・・・。
「圧政下のアフガニスタンからやっと逃げてきても必要な医療が受けられない。仕事もない。母国も自分たちの将来も八方ふさがりの状態だ、と悲観していました」
一昨年九月から昨年四月まで、アフガン国境に近いイラン北部の町で、難民治療に当たった。宗派や民族の違いでタリバンの抑圧を受けた人たちの話を知れば知るほど、「問題の複雑さ、根深さを知らされた」という。
一九六七年、京都市伏見区生まれ。九九年に国際NGO(非政府組織)の「国境なき医師団」に入り、内戦下のスリランカに派遣された。
「向かなければ内科医に戻ろうかな、と。でも、誇りを持って仕事する現地の仲間と働くのが楽しくて」
しかし、診療チームを任されたイランでは状況がまったく違った。
列をつくる患者と限られた財源。どの治療にいくら費用をかけるべきか。手術を要する心臓病の幼児は?何度となく難しい判断を迫られた。
「百万円あれば、できるだけ大勢を救うのが緊急援助の原則。つらい決断でも誰かがしないと」。淡々とした口調だが、瞳の奥には当時の苦悩がよみがえる。
帰国後、アフガン難民支援をマスコミに必死に訴えたが、反応は鈍かった。そこに、米中枢同時テロ、そしてアフガンへの報復攻撃が起きる。
「報道されるのは空爆の成果や戦況の予想が大半。その下で、普通の人たちがおびえ、傷付いていることが伝わらない」。殺到する講演依頼は可能な限り引き受けた。
「干ばつも戦争も恐ろしいが、一番怖いのは、世界から忘れ去られること。惨状に関心を持ち続けることが、彼らには一筋の光なんです」
事実を伝える作業が一段落したら、再び外国に向かう。希望の派遣先はもちろんアフガンだ。
(道又隆弘)
(京都新聞二月二十三日朝刊より)
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