不吉な予測だった(2)
投稿者: katakorichan 投稿日時: 2002/01/06 01:26 投稿番号: [129192 / 177456]
(続き)
だが、同じ論理でいけば、世代交代の次のサイクルも見ておくべきだろう。湾岸戦争は「ヴェトナム戦争パート2・ハッピーエンド版」とも呼ばれ、アメリカのヴェトナム戦争後遺症を良くも悪しくも吹き飛ばす効果をもった。とくに、ハイテク兵器の圧倒的な力はアメリカに自信を回復させ、その延長上でミサイル防衛への取り組みも本格化しつつある。(ヴェトナム戦争後遺症をいい意味で受け止めて、コッポラの「地獄の黙示録」をはじめとするすぐれた作品(必ずしも戦争ものとは限らない)を撮ってきたアメリカ映画界が、近年やたらとコンピュータ・グラフィックスを濫用した戦争ゲーム紛いの映画に退行しつつあるのも、それと同じ世代交代の現れだろう。
湾岸戦争の英雄が大統領になるが、妥協の技術である政治に嫌気がさしていた、そこへエイリアンが侵略してくると急に元気を取り戻し、勝手に世界を代表して人類の独立を宣言したかと思うと自ら戦闘機で突撃していくという『インディペンデンス・デイ』は、その典型だ)。こうして、ヴェトナム戦争のヴェテランたちが退役する一方で、コンプレックスをもたない湾岸戦争の世代がアメリカ軍を指導するようになるとしたら、それはケネディ時代の軍にも似たパワー・グループになるおそれがある。とすれば、やはり問わねばならない。アメリカの政治は、それを制御するだけの力を維持しえているのだろうか。
雑誌「VOICE」2001年3月号より
浅田彰
<「13デイズ」の教訓>
これは メッセージ 129191 (katakorichan さん)への返信です.
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