「取り返しがつかない!」という言葉
投稿者: chottomato2 投稿日時: 2001/12/31 18:23 投稿番号: [128533 / 177456]
このところ、ある言葉が繰り返し頭のなかに浮かんでくる。
「取り返しがつかない!」という言葉だ。
作家の大江健三郎さんが子ども向けに書いた
『「自分の木」の下で』(朝日新聞社)に出てくる。
「私が子供の時、なにより恐ろしかった言葉はなんだろうか?」
と自問する大江さんが思い出す。
父が突然亡くなった日の深夜、
遺体の横で母親が怒っているような強い声で何度もいっている。
「取り返しがつかない!」。
廊下で聞いていた大江さんは恐くなって蒲団に戻った。
大江さんは「子供の自殺」について語ろうとした。
「子供にとって、もう取り返しがつかない、ということはない。
いつも、なんとか取り返すことができる」。
これは人間の世界の「原則」なのだ、と。
だから、
自分を殺してはいけない、
他人を殺してはいけない。
大江さんの願いにもかかわらず、世界のあちこちから母親たちの
「取り返しがつかない!」の悲痛な声が聞こえてくる一年だった。
えひめ丸の事故があった。
明石市の歩道橋の事故に
付属池田小の殺傷事件、
中東では自爆テロとその報復が続き、
9月11日の同時多発テロである。
大人たちの任務は、どうしてあんなことが起きたのか、
あるいは起き続けるのか、原因を突き止めること、
そして二度と起きない手だてを考えることだろう。
それはわかる。
しかし同時に、大人たちも皆、
大江さんの言う素朴な「原則」に立ち返るほかない、
との気持ちが強まる。
「取り返しがつかない!」
この恐ろしい発語を、
世界から少しでも少なくするために。
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以上、今朝の朝日新聞「天声人語」より。
(わたしのイメージとしての)ケネディに
通じるものがあるように感じたので、
転載しました。
(↑オリジナリティ
ゼロ。(笑))
それでは、みなさま、よいお年を。
これは メッセージ 128520 (chottomato2 さん)への返信です.
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