対米全面テロ

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米国は身勝手すぎる

投稿者: chottomato2 投稿日時: 2001/12/15 21:36 投稿番号: [125578 / 177456]
---- -ABM脱退 ---- -

  米国が72年に旧ソ連と結んだ弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約から、一方的に脱退することをロシアなど関係国に通告した。

  冷戦時代の米ソ両国は核軍備を続け、最盛期には両国で6万発前後の核弾頭が蓄積されていた。相手国を完全に破壊できる戦力をはるかに上回る数量である。
  両国は核弾頭数の均衡を維持した。その上で、核戦争になれば双方とも壊滅するという「相互確証破壊」の恐怖があるから、自制が働くと考えた。しかし、片方が敵の弾道弾を迎撃する防衛ミサイル網を築けば、この「恐怖の均衡」は崩れる。
  それを防ぐのがABM条約である。国土全域を覆うミサイル防衛網の展開を禁止し、迎撃ミサイルの配備は両国とも1カ所ずつに制限している。しかし、いまこれを守る限り、米国はミサイル防衛(MD)計画を進められないことになる。

  ブッシュ大統領は「いまや米ロ両国にとって最大の脅威は、テロリストや大量破壊兵器を入手しようとするならず者国家である。ABM条約はこれらの攻撃から国民を守る能力を開発する妨げになる」と、条約から脱退する理由を述べた。
  同時多発テロを引き合いに出してはいるが、要するにブッシュ大統領の選挙公約でもあるMD計画を進めるうえで、実験や配備の手足を縛るこの条約が邪魔になったという意志表示にほかならない。

  核超大国である米国は、核軍縮・軍備管理体制の機軸であるABM条約をロシアとともに順守するのが責任ある態度ではないか。自国に都合がよくないからと30年近く機能してきた国際的な枠組みを一方的につぶすのは、大国の力を背景にした身勝手な行動と言わざるを得ない。
  米国が、自国だけの安全を確保しながら経済力と技術力を駆使して軍事的優位を拡大するならば、世界は強者が支配するジャングル状態になりかねない。指導的国家としての自覚を求めたい。

  ブッシュ大統領は、ロシアとともに戦略核弾頭を3分の1以下に削減する方針を表明している。米国に期待するのは、こうした核軍縮であり、そのためにも米ロが歩調をそろえることが大切である。
  プーチン・ロシア大統領は、米国のABM条約脱退をある程度織り込んでいたとは見られる。だが、そのミサイル防衛力が強化されれば、ロシアの戦略核削減のスピードが鈍る恐れも否定できない。中国は米政府の決定に懸念を表明している。

  ブッシュ政権は、包括的核実験禁止条約(CTBT)への否定的な対応や、臨界前核実験などでも批判を浴びている。
  不安定な時代だからこそ国際社会は足並みをそろえる必要がある。米国が対テロ包囲網で強調を呼びかけたのも、そうした考えが根底にあったからではないか。

  独善的な行動は慎むべきだ。



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以上は、今朝の朝日朝刊「社説」より無断転載。
(いつも、ごめんね。)
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