真珠湾60年
投稿者: chottomato2 投稿日時: 2001/12/08 20:45 投稿番号: [123710 / 177456]
あの戦争が問う「いま」
ハワイ・オアフ島の真珠湾を旧日本軍が奇襲して太平洋戦争が始まってから、きょうで60年になる。
60年前のできごとは、年配の多くの方々には今も鮮烈な記憶だろう。若い世代にとってハワイは身近な海外リゾートであり、今年公開された「パール・ハーバー」というハリウッド映画で、初めて「真珠湾」を実感した人もいるかもしれない。
だれであれ、自国の歴史から自由に、現在を生きることはできない。
他国を軍靴で踏みにじって人命を奪うような侵略戦争は、二度と起こしてはならない。不戦の誓いを心に刻むとともに、あれほど多くの痛ましい犠牲者を出した戦争が、なぜ起きたのか、その原因を究明し続けることは、日本人の、自分自身と歴史に対する責任というものだろう。
真珠湾60年は、満州事変70年でもある。泥沼の日中戦争に陥るきっかけとなった満州事変から真珠湾までの10年に、日本は破滅に向かって急坂を転がり落ちた。
司馬遼太郎さんの言葉を借りれば、「自己リアリズム喪失」の時代である。
昭和初期から太平洋戦争に至る時期、エリート官僚や軍人を支配したのは、救いがたい独善と視野狭さくだった。米国との圧倒的な国力の差を冷静に直視することなく、日本を国際社会から孤立させ、無謀な自滅戦争に引きずり込んだ。
何よりも陸海軍の統帥権が政治から独立し、軍部の専横や独走に歯止めをかけることができなかった。文民統制が、いかにかけがえのないものか。国民がそれに気づくのは、日本が焦土と化した後のことだ。
政府や軍部の一部にあった対米開戦反対論は、「このままではじり貧だ」という騒々しい声に、かき消された。未曾有の危機に直面しながら、指導者らに濃厚だったのは「長いものには巻かれろ」と言わんばかりの、無気力と大勢順応主義である。
「鬼畜米英」「神州不滅」。空虚なスローガンとともに国民の愛国心を鼓舞し、戦争に駆り立てた当時のメディアの責任も、極めて大きい。
これらは、すべて遠い昔のことだ、と言い切れるだろうか。
戦後日本は軍国主義への痛切な反省の上に出発した。平和外交が国際社会の信頼をかち得た一方で、このところは、「中国、米国何するものぞ」といった荒っぽいナショナリズムが、若手の政治家や官僚、一部のメディアの間で頭をもたげ始めているように思える。気がかりな傾向だ。
自衛隊の海外派遣では、文民統制の原則がおろそかにされていないか。
バブル経済を生み、その後始末にてこずる最大の原因は、対米開戦前夜の指導者らとも相通じるような、政治家や官僚、経営者たちの無気力と無責任ではないのか。
あの戦争を振り返り、問い続けることで、この国の「いま」が見えてくる。
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以上は、タイトル・内容とも今朝の朝日「社説」より勝手に転載。
(ごめんなさい。)
ハワイ・オアフ島の真珠湾を旧日本軍が奇襲して太平洋戦争が始まってから、きょうで60年になる。
60年前のできごとは、年配の多くの方々には今も鮮烈な記憶だろう。若い世代にとってハワイは身近な海外リゾートであり、今年公開された「パール・ハーバー」というハリウッド映画で、初めて「真珠湾」を実感した人もいるかもしれない。
だれであれ、自国の歴史から自由に、現在を生きることはできない。
他国を軍靴で踏みにじって人命を奪うような侵略戦争は、二度と起こしてはならない。不戦の誓いを心に刻むとともに、あれほど多くの痛ましい犠牲者を出した戦争が、なぜ起きたのか、その原因を究明し続けることは、日本人の、自分自身と歴史に対する責任というものだろう。
真珠湾60年は、満州事変70年でもある。泥沼の日中戦争に陥るきっかけとなった満州事変から真珠湾までの10年に、日本は破滅に向かって急坂を転がり落ちた。
司馬遼太郎さんの言葉を借りれば、「自己リアリズム喪失」の時代である。
昭和初期から太平洋戦争に至る時期、エリート官僚や軍人を支配したのは、救いがたい独善と視野狭さくだった。米国との圧倒的な国力の差を冷静に直視することなく、日本を国際社会から孤立させ、無謀な自滅戦争に引きずり込んだ。
何よりも陸海軍の統帥権が政治から独立し、軍部の専横や独走に歯止めをかけることができなかった。文民統制が、いかにかけがえのないものか。国民がそれに気づくのは、日本が焦土と化した後のことだ。
政府や軍部の一部にあった対米開戦反対論は、「このままではじり貧だ」という騒々しい声に、かき消された。未曾有の危機に直面しながら、指導者らに濃厚だったのは「長いものには巻かれろ」と言わんばかりの、無気力と大勢順応主義である。
「鬼畜米英」「神州不滅」。空虚なスローガンとともに国民の愛国心を鼓舞し、戦争に駆り立てた当時のメディアの責任も、極めて大きい。
これらは、すべて遠い昔のことだ、と言い切れるだろうか。
戦後日本は軍国主義への痛切な反省の上に出発した。平和外交が国際社会の信頼をかち得た一方で、このところは、「中国、米国何するものぞ」といった荒っぽいナショナリズムが、若手の政治家や官僚、一部のメディアの間で頭をもたげ始めているように思える。気がかりな傾向だ。
自衛隊の海外派遣では、文民統制の原則がおろそかにされていないか。
バブル経済を生み、その後始末にてこずる最大の原因は、対米開戦前夜の指導者らとも相通じるような、政治家や官僚、経営者たちの無気力と無責任ではないのか。
あの戦争を振り返り、問い続けることで、この国の「いま」が見えてくる。
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以上は、タイトル・内容とも今朝の朝日「社説」より勝手に転載。
(ごめんなさい。)
これは メッセージ 1 (messages_admin さん)への返信です.
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