対米全面テロ

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進む米の情報管理

投稿者: enomoto0072 投稿日時: 2001/10/18 18:38 投稿番号: [100070 / 177456]
アフガンめぐるメディア戦略   進む米の情報管理

「中東のCNN」と呼ばれるカタールのニュース専門衛星テレビ「アルジャジーラ」を巡り、米国とアラブ・メディアが火花を散らしている。ウサマ・ビンラディン氏の独自映像を流すアルジャジーラ。これに対して米国は、ビンラディン氏に絡む映像は秘密指令が隠されている恐れがあるからと放送自粛を求めた。その一方で米国は、政府高官をアルジャジーラに出演させるなどテレビの影響力は無視できない。米国、アラブ、アフガニスタンのメディア戦略を報告する。【ワシントン中井良則、カイロ小倉孝保、イスラマバード小松健一】

◇「二重基準」にアラブ反発

アルジャジーラは、同時テロ発生直後、タリバンがアフガンから外国人の退去を命じた後も首都カブールから報道を続けている。アラブ・メディアは、米政府の自粛要請を「お得意のダブルスタンダード(二重基準)だ」などと痛烈に批判している。「報道の自由は欧米から学んだ」という意識も強いだけに米国への不信感も増幅している。

エジプト紙「アルオスボア」は15日、この問題で論評を掲載、「アルジャジーラは米国内から3人の記者が連日、ワシントンの情報を流し、ブッシュ大統領の演説も生放送している。米国は気に入らない報道にだけ圧力をかけているのだ。今、メディアの自由は西洋の規制の下に置かれた」と述べ、米国の自粛要請を批判した。

さらに、15日付のエジプト英字紙「ミドル・イースト・タイムス」は「同時テロ直後、CNNはパレスチナ人が歓喜する様子を繰り返し放送した。アラブ政府があの映像の放送を規制するよう米国に要求したら、米国はCNNに規制を求めたか」と指摘した。

矢面に立たされたアルジャジーラの見解はどうなのか。

経営責任者の一人、ハマド氏は「報道の自由はアラブが西洋から学んだものだ。アラブがこれを追求しようとしているのに、なぜ圧力がかかるのか」と疑問を呈した上で、「テロ組織からの声明を入手すれば、CNNも報道したはずだ」と皮肉った。

◇問われるメディアの姿勢

米国は、アルジャジーラが伝えたウサマ・ビンラディン氏の声明ビデオの放送自粛を米テレビに求めたばかりだが、同じアルジャジーラを使ってイスラム世界への政策宣伝を始めた。ライス大統領補佐官に続いて16日には、ラムズフェルド国防長官が同テレビのインタビューに登場したのだ。ブッシュ政権は、メディアを利用して情報の流れを管理し、対テロ戦争で有利な状況を作り出そうとしているようだ。

自粛要請について、ジェーン・カートリー・ミネソタ大教授(メディア倫理)は「米メディアが放送しなくても世界の他のメディアが伝えるから、規制の目的は達成できない。ビンラディン氏の主張を聞きたい人もいる。人々が何を知るべきかを政府が決めるのは危険だ」と批判する。

「独立したジャーナリズム」が米メディアの合言葉だったはずだが、最近は「責任ある報道」が幅を利かせている。

CBSは「米国人の生命を脅かさない責任あるジャーナリズムを約束する」とビンラディン氏絡みの放送自粛に伴う声明で述べた。前例のない米本土へのテロ攻撃やメディアを狙った炭そ菌事件もあり「テロリストに利用されない」ことがメディアの責任という認識だ。政府にとっては、メディアの協力を得やすい状況といえる。

だが、カートリー教授はこう指摘した。

「政府は特殊な戦争を理由に情報規制を正当化している。メディアは、報道できないこと、情報がないことの理由を明確に読者に示すべきだ」

『毎日新聞』10月18日東京朝刊より
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