神風特別攻撃隊

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米記録映画TOKKOU

投稿者: fukagawatohei 投稿日時: 2009/08/11 16:19 投稿番号: [387 / 555]
銃後の女性たちの証言もある。それはモリモト監督が、なぜ叔父が特攻隊員であったことを隠そうとしたのか、そのことを親戚の女性らに聞いて回ることの中で、明らかにされて行く話である。

「戦争に反対したり、特攻を可哀想だなどといったら、憲兵に捕まえられたから、そんなことを言う一般の人はいなかった」と叔母は語る。

「また、少々戦況が悪くなろうと、日本は神の国で、必ず神風が吹いて勝つと信じていた。少なくとも沖縄戦に負けて、本土決戦が言われ、巷で竹槍作戦の訓練が始まるまでは」とも言い、いかに日本の情報と世論操作がひどく、庶民が情報過疎になっていたかを、物語っている。

またモリモト監督は、ニュースや資料フィルムの中から、最初の特攻機の体当りが成功したとき、それを昭和天皇が称えている映像、また東京が大空襲で灰燼と化した日、国民に我慢を訴えるかのように、天皇が視察して回る映像なども、使用している。

これらは、外人が太平洋戦争をどう見ているかを、まざまざと示す映像で、日本人なら避けてしまうこの客観性で、太平洋戦争への批評性を、見事にこの映画が、獲得していると言えるだろう。

それにしても、この映画の真骨頂は、終盤近くで、江名氏が語る「戦争をなくさなければ、地球はもたない」という言葉である。

江名氏は戦後、食品会社に就職し、大豆の輸入の仕事に携わって、何度も日米間を往復し、日本の経済発展と日米の経済親交に尽した人で、その出発点が、特攻隊で一旦死の覚悟をして生き残ったこと、そして広島での原爆の惨劇を目撃したことにあると考えると、この映画で語る「戦争をなくさなければ」の江名氏の発言は、大変重いのである。

終盤,映画は、この江名氏が不時着した黒島での慰霊祭に赴くのに同行し、一緒に鎮魂の思いを捧げているが、この祈りは、靖国派などが言う、特攻を美化し、その英霊に捧げるというようなものと同義ではない。心からは望まずして、海の藻屑と消えてしまった兵士たちへの、心からの鎮魂であり、真の意味での平和の誓いである。
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