砂漠の蜃気楼 イスラエル
投稿者: barbracasablanca 投稿日時: 2010/05/01 19:08 投稿番号: [19066 / 20008]
広瀬隆氏著書「赤い楯」より
「イスラエルの建国は、全世界のユダヤ人がここに戻って来た、というような美しいドラマではなく、聖書を持ち出すなら、ダビデ王以前にユダヤ人ではない無数の民族がここにいたことを自ら聖書が証明する通り、パレスチナがユダヤ人の専用物であるはずはない。現代の話をするなら、すでにここに住みついていたアラブ人(パレスチナ人)を追放した侵略者はまぎれもなくユダヤ人であった。
イスラエルに入った人は、この土地がかつては荒れ果てた砂漠であって、これを緑に変えたのはユダヤ人である、という話を百回も聞かされる。そちこちで出版されている書物から、すでに出発前にその“歴史”なるものを読み、洗脳されているのである。ところが自分の足でイスラエルを歩いてみると、どこにでもアラブ人が住み、畑を持っている。北部ガリラヤの野辺は、キリストが山上の教訓を垂れた丘一帯にひろがる緑が、何千年もの歴史を物語っている。アラブ人が畑で働いている。
こうしてイスラエルという国家に懐疑的になる。
時代は変わり、PLOのアラファト議長の登場からパレスチナ問題が多くの人にも理解されるようになり、数々のジャーナリストが正確な中東情報を伝えるようになってきた。これに危機感を抱き、パレスチナ人の絶滅によって問題の消滅をはかろうとしているのが、今日のユダヤ人国家イスラエルである。
闘争の責任者はアラブとイスラエルのいずれにあるのか、という議論を交わす者がほとんどであるが、これは、議論の出発点を誤ったものである。パレスチナ問題の根源は、“ヨーロッパ人”によるユダヤ人迫害にあった。このヨーロッパ人の責任が、アラブ人から土地を奪取することによって中東に転嫁されたことに源がありながら、そのヨーロッパ人が口をつぐんでいるのは、不思議な沈黙である。イスラエルを建国することは、ユダヤ人を追い出したいと思うヨーロッパの、多年の願望だったのである。イスラエルはユダヤ人の国ではなく、ヨーロッパによって創られた国であった。」
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