イスラエル/パレスチナ和平

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オバマとウォルフォウィッツ

投稿者: syoumenkyousi 投稿日時: 2009/01/30 18:30 投稿番号: [17667 / 20008]
  元国防副長官ウォルフォウィッツが昔、ジェニンの包囲大攻撃の時のワシントンでのイスラエル擁護デモの時、「パレスチナ人の苦しみ」についてちょっと言及した時にブーイングの雨嵐。彼は演説を途中でやめて壇上から去ったそうだ。

  オバマはロケット弾には触れたが、大虐殺には触れず、封鎖にも触れず、それでもガザの苦しみには少し触れた。

  ウォルフォウィッツの時と同じようにここでもブーイングが起きてもふしぎではないのだが、オバマの演説はユダヤ人のデモの時ではないのだから、それは起きない。

  米国のユダヤ人にとってパレスチナ人の存在が許されるのは、イスラエルの空爆で家族を全て失い途方に暮れる少女ではなく、凶悪なテロリストの時だけである。

  ヘブロン事件(1929年、「嘆きの壁」事件をきっかけに各地で起きた暴動によるもの一つ。ヘブロンではユダヤ人65人が殺害。1週間の暴動でユダヤ人133人、アラブ人116人が殺害。アラブ人側は主に英国植民地警察などによる)は昔、入植者が増えたために起きたものだが、その記憶のみで彼女ら彼らは生きているのかもしれない。

  よって「ヘブロン虐殺事件(1994)」の犯人が入植者たちに神と崇められ、事件の記念日が盛大に祝われるのは不思議ではない。

  被害妄想が昂じて、ナチスの大量殺戮を引き合いに出し、それを利用しながら、それと同様な事をパレスチナ人にするというのは、その妄想だけでは説明ができない。そう妄想と人種差別と土地泥棒という実益が合わさって、全てが満たされるわけだ。そういえばユダヤ人迫害のキリスト教徒たちは、迫害の実利として、ユダヤ人の財産も狙いであったようだから、それはまさしく一挙両得だったわけだ。

  妄想だけでも十分危ないが、それに差別や強欲が重なると、さらなる災厄が訪れるというわけだ。

  よって、加害者の一部にでも普通の常識と倫理さえあれば今のパレスチナの悲劇は避けられたわけで、このことが実はもっとも悲しいことなのである。誤解を招く表現だが、被害者が被害者のままでいることも又難しいこともあるのだ。

★注1:以上、E・W・サイード『イスラエル、イラク、アメリカ〜戦争とプロパガンダ3』(中野真紀子・訳、みすず書房)を参考―─。

★注2:「ヘブロン虐殺事件(1994)」:極右ユダヤ人医師(バルフ・ゴールドシュタイン)が起こした。死者は60人を超え、負傷者は200。これをきっかけに自爆攻撃が開始された。

★注3:ヘブロンには、ユダヤ教・キリスト教・イスラーム教の祖であるアブラハム(イブラーヒーム)の墓がある。そこにはヘブロン事件(1929年)以来、ユダヤ人は住んでいなかった。よってそれが開始されるのは1967年の西岸占領後である。

  ★注4:最初のユダヤ人入植:1882年から、集団的なユダヤ人の移民・入植が開始された。1881年にはロシアでポグロム(注:ロシア語で破壊、破滅。ユダヤ人虐殺・迫害)が起こり、それをきっかけとしたロシア系ユダヤ人の大量出国の一部がパレスチナに向かった。定義上、1904年までのこのユダヤ人移民の波を「第一次アリヤー」と言う(アリヤーは「上がること」の意味で、パレスチナ/イスラエルへ移民をすること)。(『イラン・パペ、パレスチナを語る』(つげ書房新社)の脚注より―─。)バルフォア宣言(1917年)後に、第3次アリヤー(1919年、主にロシアから)、第4次アリヤー(1924年、主にポーランドから)とユダヤ人入植者たちが10万人と急増。アラブ人が危機意識を募らせる。
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