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ユギオII - 「ひゅうが」にて

投稿者: k_g_y_007_naoko 投稿日時: 2009/08/06 01:35 投稿番号: [58618 / 73791]
投稿者:拓

直子さんが書き直していたのは「爺の剣」ではなく、「ユギオII」でした^^;

一部をご紹介いたします:

ユギオII - 「ひゅうが」にて

日本海を所在なげに遊弋する海自艦「ひゅうが」が眼下に入った。カンはヘリの窓からその威容に見入るかのような視線を落としていた。「ひゅうが」には、海自護衛艦がイージス艦「あたご」と思われる艦を中心に7隻が警戒していた。「ひゅうが」艦上には三機のロシア製大型ヘリが見えた。

<略>

三枝は思わず目を見張った。カンの容姿にである。カンは北の同志であるヘリ乗員が用意した衣服に着替えてきた。それは李氏代々の王の衣装であったが、明朝清朝から下賜された衣装の竜とは異なり、大胆な純白の昇竜があしらわれていた。冠も堂々として、周囲を圧倒するものがあった。

迎えのヘリのステップに足をかける前、カンは立ち止まり三枝を凝視した。そして三枝に深々と頭を下げた。三枝は、朝鮮皇帝ともあろう人物が一介の日本の諜報活動員でしかない男にこのような礼をするとは意外な気がした。「ひゅうが」艦長をはじめ、乗り組み員たちは三枝を注視した。

三枝は私服ではあったが、右手で最敬礼で返した。

「死ぬなよ!   死んではならぬ!」

しばし見つめあったカンには、三枝の万感の思いが通じたようである。

「ご心配ありがとう。きっと成功してみせます!」

そう無言の伝言をかすかな笑みとともに三枝に送ると、意を決したかのようにカンは三枝に背を向けると、機内に消えた。機の窓からカンの横顔が見えたが、カンは二度と三枝を見ることはなかった。

<続く>
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