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ユギオII - その106

投稿者: k_g_y_007_naoko 投稿日時: 2009/06/10 22:43 投稿番号: [56725 / 73791]
投稿者:拓

<その106>

「朝鮮族の少佐?」
三枝が聞き返した。
「ええ、私の義兄にあたります。聞いてみましょうか?」
李のこの問いに三枝は思案していたが、思いだしたように川嶋に耳打ちした。川嶋はポケットから写真を取り出した。
「李さん、彼らは昨日我々を尾行していた人物です。何かわかりませんか?」
李は写真をじっと見ていたが、
「知らない人たちですね。でも、この助手席の男は、顔形から朝鮮族のように見えますね。後ろの人物は、半分隠れているのと、ボヤけているのでよくわかりませんが、軍服と階級章から見て人民解放軍の大佐ですね..」
「では、こちらの写真は?   軍服の男を画像処理したものです」
李はジッと見ていたが、
「見たことありません..。この大佐も朝鮮族かもしれません..」

三枝は、頭の中がめぐるましく回転するのを覚えた。あの少将がふと見せた、秘めたような殺気は..?   三枝たちにではない。たぶん、あの少将の性なのかも知れないと思った。
「あのう..」
李が何か言いたげであった。
「ん?」
「いえ、たいしたことではないのかも知れませんが、ここ数日の内に家出人の問い合わせが増えていると聞いています。ほとんど若い男たちばかりです。隣の省でも頻発しているようです。妙だとは思っているのですが、分別のありそうな年頃の若者たちですから、何かいい働き口でもあって行っているだけのことかも知れませんが..」
「全員朝鮮族ですか?」
「さあ、よく知りません..」
そのとき丸山が入ってきた。

「小山田さんがお呼びです」
「そうか、ではちょっと失礼する。川島君、君も来てくれ..」
三枝は部屋を出るとき、丸山に二人のそばにいるよう頼んだ。

小山田は、大使執務室で山之内大使と話していた。
「おお来たか..」
「お忙しいと思い、ご遠慮していたのですが..」
「訪中団は午後だ。それより瀋陽の人物は来たかね?」
「ええ、なんと陛下の従兄でした。間違いありません」
「従兄?」
山之内大使が聞いた。小山田は、大使に事情をかいつまんで話した。
「ところで、差し出がましいようですが..」
「ん?   何だね、三枝君?」
三枝の頭がまためぐるましく回転した。

「もう一度、温首相にお会いできませんか?   それと..」
「それと、何だね?」
「江沢民前主席です..」
「君が..?」
「ええ..」
小山田は、驚いたように三枝を見た。


<では失礼>
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