ユギオII - その100
投稿者: k_g_y_007_naoko 投稿日時: 2009/06/07 22:47 投稿番号: [56644 / 73791]
投稿者:拓
<その100>
三枝とカンが食事を終え、コーヒーを飲んでいると、川嶋が来た。
「瀋陽の李さんが明日来ます..」
「え?
ありがとうございます!」
カンの目が輝いた。
「職場は大丈夫なのかね?」
三枝が聞いた。
「ええ、明日、日中友好議員団が来ますよね。瀋陽市との姉妹提携の打ち合わせとかで、上司の許可を取ったそうです。うまい理由を見つけましたね..」
川嶋はニヤッと笑った。しかし、これは川嶋のさしがねに違いないと三枝は思い苦笑した。
「ところで、キゴ君、ナム少将のことについて何か知りませんか?」
三枝が聞いたが、カンは記憶を辿るように考え込みながら、
「丹東に潜入させた我々の同志から聞いているだけです。写真を見ておりますから、あの少将に間違いありませんが、何を打ち合わせていたのか、その内容までは分かりません。しかし、密会している相手が相手ですし、今回の決定もありますから..」
「そうですか..」
「同志なら、何か知っているかも知れません..」
カンのこの言葉で、三枝は東京に頼んだ方が早いと察した。
「三枝管理官、海江田審議官がお呼びです」
事務官が伝えに来た。
「川嶋君、瀋陽の件は海江田さんに話したかね?」
「いえ、まだですが..。あっ、いやだなぁ、三枝さん、あなたは私の直属のボスですよ..」
「ん?
そうだったか?
そうだったな..」
三枝は苦笑した。③室を預かる長であることが、まだ実感できなかった。
海江田が待つ部屋に入ると、小山田元審議官が来ていた。三枝の記憶には、大柄でやや赤ら顔の恰幅のよい人物であったが、目の前の小山田は痩せぎすで白髪に眼鏡をかけ、すでに70の半ばに近い老人であった。小山田は、眼鏡の奥から三枝を懐かしそうな眼差しで見ていた。
「お久しぶりです..」
三枝が頭を下げると、
「管理官になったそうだな..。あのダメ男がよくまあ出世できたもんじゃ、あはははは..」
小山田はそう言いながら、視線を一緒に入ってきたカンに移した。
「あなた様が李朝鮮王朝第○○代皇帝陛下ですかな?」
「はい、そうです..」
すると小山田は椅子から立ち上がると、今までとは一変して丁重に頭を下げた。いや、最敬礼であった。
「光栄に存じます、陛下。よくご健勝であられましたな。あなた様のことは、ご養父殿からよくお聞きしております..」
これは メッセージ 1 (may7idaho さん)への返信です.
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