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ユギオII - その74

投稿者: k_g_y_007_naoko 投稿日時: 2009/05/22 22:57 投稿番号: [56029 / 73791]
投稿者:拓

<その74>

「もしもし、北村だが..。誰?   よく聞こえないが..?   え、弁護士..?   なにカンの孫娘の弁護士..?」
北村がそこまで言うと、周りの男たちをいかにもうるさそうに睨みつけ、
「君たち、うるさいんだよ、少し静かにしてくれんか!」
と一喝した。
「どなたですか?   カンのお嬢さんというお話が聞こえましたが..?」
金井がいかにも聞きたそうな顔で言った。
「ん?   私にもわからん、ちょっとどいてくれんかな?」

北村は、取り囲んでいた男たちから抜け出ると、
「すまないが、よく聞こえない。もう一度言ってくれないかな?   ん、カンの孫娘さんの弁護士..?」
北村は、相手の話を聞いているようであったが、すぐに、
「なに、病院..?   どこの病院だ!」
北村の驚いている様子を一団は注視してた。
「分かった。それで様態は..?   精密検査?   なに、一週間..?」
北村のこの声に一団はざわついた。
「爺さんが会いたがっているが、だめか..?   う〜ん..」
北村は、天を仰いだ。

「ま、今外だから、事務所に帰ってから電話する。この携帯に入った電話番号でいいのかな?   そうか、分かった。よろしくたのむ..」
北村は、電話を切った。そして一団を睨みつけると、
「カンの孫娘さんが入院したと彼女の弁護士からだ。精密検査に一週間かかると言っている..。   さて、困ったな..」
北村はあごをさすりながら、考え込んだ。

「どこの病院ですか?   我々もさっそくお見舞いに行かなければ..」
金井が心配そうに言った。北村は、やや考え込んでから、
「安静にしておいた方がいい。今すぐ命がどうのこうのということではないらしい。ストレスがどうのこうのと言っていた..」
「ですから、病院は?」
金井がまた聞いた。
「君も弁護士なら、このような場合どうするか知っておろう..?   私がお孫さんの入院先を君たちに教えるとでも思っているのかね?」
金井は北村の剣幕に言葉をつまらせた。

その頃、カンの孫娘を乗せた榊原妙子の車は、警護車に付き添われながら富士五湖の外務省研修センターに静かにすべり込んでいた。
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