ユギオII - その29
投稿者: k_g_y_007_naoko 投稿日時: 2009/05/08 23:08 投稿番号: [55317 / 73791]
投稿者:大介&直子
<その29>
奥でまた電話が鳴った。孫娘がどことなくうれしそうに「ブル様からです」と告げに来た。
「ブルとな?」
ブルとはブルドックのことであり、ほほが垂れ下がったギョロ目の人物、武原首相のニックネームであった。
首相との電話が終わり客間に戻ると、北村が孫娘となにやら話し込んでいた。
「なんだ?
お前たちは知り合いか?」
「えっ?
あ、すみません。妙子さんとはもう何度かお会いしております..」
北村は、バツが悪そうに言った。
「そうか…」
「北村さん、朝食まだなんでしょ?
いますぐご用意いたしますから、ご一緒に食べてくださいませんか?
爺と二人だけじゃ、おいしくないんですよ..」
妙子は、いたずらっぽく笑った。
北村も恐縮そうにかしこまっていた。
「遠慮がないところは相変わらずじゃな、それに妙も妙じゃ、あっはははは..。ま、腹ごしらえしていきなさい。健康第一じゃからな、あははは..」
北村は恐縮して、大きな身体をさらに縮めた。
「全日本選手権、おしかったですね」
北村がふいに話題を変えた。全日本女子剣道の話であった。
「ま、妙にはいい薬になったであろう。妙の鼻っ柱を折る相手がおってよかったわい。ワシにも、もう手が負えんくなっておる..。はははは」
「あら、また変なこと言ってるんだから…」
妙子がいつの間にか食事を運んできていた。
「ところで、首相から何か..?」
「ん?
至急会いたいということじゃ..」
「では、私がお送りしましょう。車を待たせてありますから..」
「ん?
電車できたのではなかったのかな?」
老人の言葉に北村は頭を掻いた。
「さては、ブルドックとぐるか、図ったな..!」
北村は、ご明察のとおりですと言わんばかりに苦笑いで返した。
武原首相は、官邸から程近い公館で榊原を待っていた。
そして、ソウルでは…。
固定リンク:https://yarchive.emmanuelc.dix.asia/1143582/a4a4a4ha4a4a4h4z9qbeclga4xa5aba5a6a5sa5ha5c0a5a6a5sa1aa_1/55317.html