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ユギオII - その27

投稿者: k_g_y_007_naoko 投稿日時: 2009/05/08 22:42 投稿番号: [55311 / 73791]
投稿者:大介&直子

<その27>

「いやあ〜、驚いた。カンさん、別人ですね!」
三枝は、本当にそう思った。そして、昨日のことは演技ではなかったかと、この自分の目まで騙されたことに舌を巻いた。それほどカンの全身からは、品格と威厳が漂っていたのである。「並みの工作員ではないと思ってはいたが、まさか..」と三枝は思った。

先程の女中尉が迎えにきた。そしてカンを見るなり、「あっ」と驚きともつかない声を上げた。
「よくお似合いです。本当に..」
カンは照れ笑いを浮かべた。彼女も微笑みながらしげしげとカンに見とれていた。やがてふと思い出したかのように三枝に向き直ると、
「お車がお待ちです。日本大使館からです」
「日本大使館..?」
「ええ、どうぞこちらへ..」
女中尉は先に立って歩き始めた。

日本大使館の車は、基地本館正面の車寄せに止まっており、車の横では一人の男がハン次官や米大佐らと立ち話していた。三枝たちが近づくと、ハンと米大佐は驚いたようにカンを見つめた。

カンは、昨日の背を丸めたようなうつむき加減の姿勢とは違い、背筋を伸ばし、いかにも紳士然とした歩きで近づくと、まだ驚いた様子でいる彼らに挨拶した。
「おはようございます」
「いや〜、驚きましたなぁ..」
ハンは、カンをしげしげと見回した。

日本大使館員は、新井書記官であった。書記官とは表向きの顔で、実際の任務は三枝と同じ調査官であり、三枝の5期後輩であった。新井は、最初に日本大使館に寄ってから、10時に青瓦台へ行くということであった。三枝はカンに新井を紹介すると、ハンと米大佐にお礼の意味を込めて握手しようとしたが、彼らも青瓦台に呼ばれているということであった。
ハンが三枝に耳打ちした。
「カンの情報は、どうやら間違いないですね、驚いたねぇ〜」
三枝には、例の長距離砲のことを言っていることが分かった。米大佐も、昨日とは打って変わった真剣な表情でカンを見つめていた。

カンは、車の窓からしきりにソウルの町並みに見入っている。

「三枝さん、一体何があったんですか?   昨夜、危機管理室長から直に連絡がありました。何か重大事件ですか?」
助手席の新井は、車外に目をくばりながら言った。
「さあ、私にもわからん。重大なことになるかも知れない。それだけだ..」
「………?」
新井は、怪訝そうな顔であったが、それ以上のことは聞かなかった。

「この車に護衛さんがついていますね」
ふいに、外をうかがっていた新井が言った。
「後に1台、それと前には、あの1台前のシルバーグレーのバンもそうかな?」
また、新井が言った。
三枝も気付いていた。後ろの1台は、あの女中尉が制服のまま運転していた。しかし、助手席には作業着姿の初老の男を乗せていた。

その頃、東京では...。
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