ドルは強いのか弱いのか
投稿者: junbanhoo 投稿日時: 2009/01/25 20:32 投稿番号: [48129 / 73791]
【通貨で読む世界】「強いドル」という欺瞞
1月25日8時3分配信 産経新聞
米国の新財務長官に指名されているガイトナー・ニューヨーク連銀総裁の議会証言によると、オバマ政権経済チームは「強いドル」を推進し、通貨調整で「総合戦略」を検討中という。中国については人民元を不当に安く操作していると認定し、「オバマ大統領は中国の為替慣行を変えるためにあらゆる外交手段を動員する」とも強調した。オバマ政権が矛先を中国に向ける一方で、ドル安・円高を是正するなら日本にとって結構なことだが、「強いドル」というレトリックにだまされてはいけない。
変動相場制に移行した1970年代以降、米政権が「強いドル」戦略を実行したのは、80年代初めのレーガン政権1期目と、ニューヨーク・ウォール街の要請に応じて世界の余剰資金をひきつけようとしたクリントン政権の一時期に過ぎない。あとはおしなべて「ドル安」政策に傾斜した。
唯一の例外がブッシュ前政権の対円政策である。ブッシュ大統領は小泉純一郎首相(当時)の改革路線を後押し、2003年から翌年2月にかけての日本財務省による大規模な円売り・ドル買い介入を黙認した。円安傾向を受けて日本からは巨額の超低金利資金が米金融市場になだれ込み、住宅ローンなどの債務をまかなった。ドルはユーロや英ポンドなど欧州通貨に対しては下落したが、証券化商品の開発で欧州の余剰資金を引き寄せることに成功した。
ところが2008年9月の「リーマン・ショック」で米国発金融危機が世界に伝播した。バブルにまみれたドルの金融商品を800兆円以上も買い込んだ欧州の金融機関が直撃を受けたため、欧州通貨などに対してドル相場は反転した。
混とんとした国際通貨情勢の中でオバマ政権が今後、どんなドル戦略を発動するだろうか。
07年末での米国の対外債権総額は17兆6400億ドルに上る。単純に計算して、ドル相場平均で10%下落すると、米国は1兆7640億ドルの為替差益を得ることになる。これはオバマ政権による財政支出拡大に伴う財政赤字見込額を優に上回る。30%のドル安で5兆2920億ドルに上り、金融危機の元凶になった証券化商品10兆8400億ドルの価値が半分に減っても十分補填(ほてん)できる。
ユーロ安・ドル高で米国の欧州資産が目減りしても、基軸通貨ドルに挑戦してきたユーロは自滅同然だ。問題は米国債の最大の保有国、中国である。オバマ政権は機先を制して人民元切り上げ圧力をかけ、中国が金融パワーをてこにした政治的影響力を行使しにくくする。
円はどうか。米連邦準備制度理事会(FRB)のゼロ金利容認とは対照的に、日銀はゼロ金利を拒絶したため、金融資産をドルよりも円で運用するほうが有利になり、ドルが売られ、円が買われる。放置して日本が困れば、ドル買い介入して米国債を買い増すだろう。中国も米国債を買わないと人民元は高くなる。オバマ政権の通貨戦略とは、ドル安容認路線しかないようだ。(編集委員 田村秀男)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090125-00000038-san-bus_all
日本の円はどうなる。
1月25日8時3分配信 産経新聞
米国の新財務長官に指名されているガイトナー・ニューヨーク連銀総裁の議会証言によると、オバマ政権経済チームは「強いドル」を推進し、通貨調整で「総合戦略」を検討中という。中国については人民元を不当に安く操作していると認定し、「オバマ大統領は中国の為替慣行を変えるためにあらゆる外交手段を動員する」とも強調した。オバマ政権が矛先を中国に向ける一方で、ドル安・円高を是正するなら日本にとって結構なことだが、「強いドル」というレトリックにだまされてはいけない。
変動相場制に移行した1970年代以降、米政権が「強いドル」戦略を実行したのは、80年代初めのレーガン政権1期目と、ニューヨーク・ウォール街の要請に応じて世界の余剰資金をひきつけようとしたクリントン政権の一時期に過ぎない。あとはおしなべて「ドル安」政策に傾斜した。
唯一の例外がブッシュ前政権の対円政策である。ブッシュ大統領は小泉純一郎首相(当時)の改革路線を後押し、2003年から翌年2月にかけての日本財務省による大規模な円売り・ドル買い介入を黙認した。円安傾向を受けて日本からは巨額の超低金利資金が米金融市場になだれ込み、住宅ローンなどの債務をまかなった。ドルはユーロや英ポンドなど欧州通貨に対しては下落したが、証券化商品の開発で欧州の余剰資金を引き寄せることに成功した。
ところが2008年9月の「リーマン・ショック」で米国発金融危機が世界に伝播した。バブルにまみれたドルの金融商品を800兆円以上も買い込んだ欧州の金融機関が直撃を受けたため、欧州通貨などに対してドル相場は反転した。
混とんとした国際通貨情勢の中でオバマ政権が今後、どんなドル戦略を発動するだろうか。
07年末での米国の対外債権総額は17兆6400億ドルに上る。単純に計算して、ドル相場平均で10%下落すると、米国は1兆7640億ドルの為替差益を得ることになる。これはオバマ政権による財政支出拡大に伴う財政赤字見込額を優に上回る。30%のドル安で5兆2920億ドルに上り、金融危機の元凶になった証券化商品10兆8400億ドルの価値が半分に減っても十分補填(ほてん)できる。
ユーロ安・ドル高で米国の欧州資産が目減りしても、基軸通貨ドルに挑戦してきたユーロは自滅同然だ。問題は米国債の最大の保有国、中国である。オバマ政権は機先を制して人民元切り上げ圧力をかけ、中国が金融パワーをてこにした政治的影響力を行使しにくくする。
円はどうか。米連邦準備制度理事会(FRB)のゼロ金利容認とは対照的に、日銀はゼロ金利を拒絶したため、金融資産をドルよりも円で運用するほうが有利になり、ドルが売られ、円が買われる。放置して日本が困れば、ドル買い介入して米国債を買い増すだろう。中国も米国債を買わないと人民元は高くなる。オバマ政権の通貨戦略とは、ドル安容認路線しかないようだ。(編集委員 田村秀男)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090125-00000038-san-bus_all
日本の円はどうなる。