ユギオ2(その565)
投稿者: k_g_y_007_naoko 投稿日時: 2008/11/14 00:18 投稿番号: [44264 / 73791]
ユギオ2(その56)
しかし、二人の男を乗せた一台の車がひそかに彼女たちの後を追っていた。
「カンさん、これからあなたのおうちに寄ります。数週間ほどご旅行するつもりで身支度してください」
直子はルームミラーで後方をチラチラ見ながら助手席のカンに言った。
「ええ、分かりました。すぐに用意いたします」
直子は、100メートル程先のカンの家の前に十人ばかりの人混みに気付くと、車を止めた。そしてバッグから口紅を取り出すと、真っ赤に大げさに塗った。それから、眼鏡を掛けた。
「どお?」
直子がカンに顔を向けると、カンは驚いた眼差しを向けた。先ほどまでとは違い、卑猥でいかにもヒステリックな女性に変身していたのである。
「カンさん、あの人たちが何かしつっこく言ってきたら卒倒するふりをしてください。できますか?」
カンは一瞬考えこんでいたが、呼吸を整えると、
「こうですか?」
と、卒倒するふりを見せた。
「ダメよ、もっとリアルに..」
カンの卒倒は、あまりにも上品過ぎていた。
直子は、車を動かすと、クラクションを大げさに鳴らし、人混みの中に止めると、車の窓を開け、
「あんた達、人の家の前で何やってですか! 邪魔だからどいてください!」
と怒鳴り散らした。一団はあっけにとられたように直子を見ていた。直子は構わずに車から降りると、助手席のドアを開けた。車から出てきたカンを一団はすぐに取り巻いた。そして、その中のいかにも学者ぜんとした初老の男が、
「お嬢さん、我々は総連の弁護団です。我々に弁護をお任せくださるようにカン同志を説得してくださいませんか?」
彼らはしきりに詰め寄った。
「あんた達、いったいなんですか? 能無し弁護士が集まって何してんですか? 邪魔だからどいてください。お嬢さんは具合が悪いんですよ!」
直子がまたヒステリックにそう言うと、全員が直子を凝視した。そして中の一見ヤクザ風の身なりの若い男が、
「ねえちゃん、なに偉そうにほざいてんだい?」
と詰め寄ってきた。直子は、眼鏡に指をあて、しげしげと男の顔を覗き込むような仕草で、
「ふ〜ん、あんたの脳みそは、どぶネズミほどもないようね..」
直子のこの言葉に、男は気色ばんだ。
しかし、すぐに学者風の男が制止した。
「あなたは、誰かね?」
怪訝な顔で聞いた。
「お嬢様の弁護士さ、あんた達じゃ頼りないからね!」
男は、さらに不可解な顔をした。
「あんた達、いったい何やってんの! あんた達がダメだから、お嬢様にも公安がつきまとってんじゃない!」
直子は、数十メートル先に駐車している黒塗りの車に向かってあごをしゃくった。
それを見たカンは、頭痛がするかのように頭を押さえると、今にも崩れ落ちそうな仕草をした。
「あっ、お嬢様!」
そう言いながら直子は彼女を抱きかかえると、「邪魔だからどきなさい!」と捨て台詞を残して、カンの家の門を入って行った。
しかし、二人の男を乗せた一台の車がひそかに彼女たちの後を追っていた。
「カンさん、これからあなたのおうちに寄ります。数週間ほどご旅行するつもりで身支度してください」
直子はルームミラーで後方をチラチラ見ながら助手席のカンに言った。
「ええ、分かりました。すぐに用意いたします」
直子は、100メートル程先のカンの家の前に十人ばかりの人混みに気付くと、車を止めた。そしてバッグから口紅を取り出すと、真っ赤に大げさに塗った。それから、眼鏡を掛けた。
「どお?」
直子がカンに顔を向けると、カンは驚いた眼差しを向けた。先ほどまでとは違い、卑猥でいかにもヒステリックな女性に変身していたのである。
「カンさん、あの人たちが何かしつっこく言ってきたら卒倒するふりをしてください。できますか?」
カンは一瞬考えこんでいたが、呼吸を整えると、
「こうですか?」
と、卒倒するふりを見せた。
「ダメよ、もっとリアルに..」
カンの卒倒は、あまりにも上品過ぎていた。
直子は、車を動かすと、クラクションを大げさに鳴らし、人混みの中に止めると、車の窓を開け、
「あんた達、人の家の前で何やってですか! 邪魔だからどいてください!」
と怒鳴り散らした。一団はあっけにとられたように直子を見ていた。直子は構わずに車から降りると、助手席のドアを開けた。車から出てきたカンを一団はすぐに取り巻いた。そして、その中のいかにも学者ぜんとした初老の男が、
「お嬢さん、我々は総連の弁護団です。我々に弁護をお任せくださるようにカン同志を説得してくださいませんか?」
彼らはしきりに詰め寄った。
「あんた達、いったいなんですか? 能無し弁護士が集まって何してんですか? 邪魔だからどいてください。お嬢さんは具合が悪いんですよ!」
直子がまたヒステリックにそう言うと、全員が直子を凝視した。そして中の一見ヤクザ風の身なりの若い男が、
「ねえちゃん、なに偉そうにほざいてんだい?」
と詰め寄ってきた。直子は、眼鏡に指をあて、しげしげと男の顔を覗き込むような仕草で、
「ふ〜ん、あんたの脳みそは、どぶネズミほどもないようね..」
直子のこの言葉に、男は気色ばんだ。
しかし、すぐに学者風の男が制止した。
「あなたは、誰かね?」
怪訝な顔で聞いた。
「お嬢様の弁護士さ、あんた達じゃ頼りないからね!」
男は、さらに不可解な顔をした。
「あんた達、いったい何やってんの! あんた達がダメだから、お嬢様にも公安がつきまとってんじゃない!」
直子は、数十メートル先に駐車している黒塗りの車に向かってあごをしゃくった。
それを見たカンは、頭痛がするかのように頭を押さえると、今にも崩れ落ちそうな仕草をした。
「あっ、お嬢様!」
そう言いながら直子は彼女を抱きかかえると、「邪魔だからどきなさい!」と捨て台詞を残して、カンの家の門を入って行った。
これは メッセージ 44255 (k_g_y_007_naoko さん)への返信です.