ユギオ2(その40)
投稿者: k_g_y_007_naoko 投稿日時: 2008/11/06 21:27 投稿番号: [43742 / 73791]
投稿者:大介
イ中尉が昼食を運んできたが、また出て行くとすぐに別の料理も持ってきた。入口のドアには若い警備兵が二人立っていた。彼らに運ぶのを手伝わせたらしい。中尉が礼をいうと、彼らは白い歯を見せながら照れ笑いを浮かべていた。イ中尉は、その若さと美貌でこの基地でも人気者らしい、と三枝は思った。
「どうぞ、ご用意ができました」
見ると、なかなか品数が多い。食べきれないほどである。日本なら庁舎の安食堂か、出前の丼物、コンビニの弁当かハンバーガーだな、と思いながら三枝は苦笑した。
「こりゃすごいな、豪華版だね..」
三枝が思わずそう言うと、彼女ははにかみながら、
「家から少し持ってきちゃったんです。お口に合うかどうか..」
そして、いたずらっぽい笑みを浮かべた。
「あなたが作ったんですか?」
カンが聞いた。
「え?
ええ、これと、これと、そしてこれ..」
彼女は、キムチと二つの料理を指差した。そしてチラッとカンを見たが、また視線を伏せた。どうやらカンと視線が合ったようである。
料理は、うまかった。キムチは酸味であったが、見た目ほどには辛くない。カンはと見ると、姿勢を正しながら味わうように食べていた。「ほう、作法がいいな。いいところの出らしい..」と三枝は思った。イ中尉は、そんなカンをうれしそうに見ていた。
「中尉さん、君は食べないのかね?」
三枝がそう聞くと、
「え?
ああ、はい、後でいただきますから..」
「ん?
我々が残したものをか?」
三枝がわざと意地悪くそう聞くと、
「え?
ちがいます。私のは別に用意してありますから..」
そして、三枝をキッと見つめた。
「あはははは、冗談ですよ」
それでも、彼女は少しふくれるような顔を見せたが、怒ってはいないようであった。
「おいしいですね、とても..。中尉さんは料理がお上手ですね。北では…」
カンは、そこまで言いかけてハッとしたようである。
「え?
北ですか?」
中尉が聞き返すと、
「いえ、なに..、北の人民にとって、こういう料理が年に何回食べられるのだろうかと、ふと思っただけです..」
カンは、言いかけた言葉を打ち消すのに懸命であった。
「ところで中尉さん、今朝、我々の車を追いかけてきませんでしたか?」
三枝は、話題を切り替えるように、ふいに聞いてみた。
これは メッセージ 1 (may7idaho さん)への返信です.
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