<ズレ>国際金融業界番付表(その3)
投稿者: uberzeitgeist 投稿日時: 2008/09/17 19:23 投稿番号: [39519 / 73791]
リーマンの破綻だけならば世界の金融・資本市場はその衝撃を吸収できると判断したFedも、保険業界の横綱AIGの破綻が重なった場合の打撃を読み切れず、ブリッジファイナンスに踏み切りAIGを管理下におきました。
AIGの投資銀行部門のデリバティブ残高は4,410億ドル。これだけならば恐らく破綻させたでしょう。しかし、保険部門が破綻した際のインパクトを見通せなかったのだと思います。
AIGは今後、投資銀行部門は清算、保険部門は一括売却が難しい場合は、部門・国ごとに分割されて売却されるでしょう。利益が出ている部門ですからすぐ買い手がつく筈です。
今回のリーマン、AIGの件で全世界の投資関係者はカウンター・パーティが如何に重要であるかを悟ったと思います。そうすると今後は、
①何処から見ても資本が健全であり(これが曲者です)リスク管理に秀でている金融機関をカウンター・パーティに選ぶこととなり、特定の金融機関へ需要が集中する
②特定の金融機関にとっては「買い手市場」となり持ち込まれる案件を選別し、また、厳格なリスク管理の下、一定の需要だけに応える
このことは、カウンター・パーティを必要とするデリバティブ市場が縮小することを意味します。CDSを利用し資金を調達してきた企業は絞り込まれ、各種オプションの売り手は限られることとなり、それを組み込んできた金融商品市場も小さくなると推定できます。
この事態を避けるために、
③この春からNY連銀が音頭をとって民間金融機関中心で、「デリバティブ決済機構」とでも呼ぶべきものを立ち上げようとしています
しかし取引が透明化されたとしてもカウンター・パーティ・リスクが残ります。今のところこの機構の有効性は定かではありません。
もう一つ見落とせないのは、リーマンが担ってきたヘッジ・ファンドへのプライマリー・ブローカー・サービスが消滅したこと。
現在、投資銀行は巻き戻し(Deleverage)の最中です。これに加えて投資銀行業界全体として自己資本が減少したわけですから、G. ザックス、M. スタンレーにもリーマンからのヘッジ・ファンド受け容れには限界があり、残る受け入れ先はJPモルガン、クレディ・スイスぐらいでしょう。
ここでも選別の原則が働きパフォーマンスの悪いヘッジ・ファンドは淘汰され資産を流動化せざるを得ないでしょう。
金融危機発生とともにスタートした銀行自己資本不足に由来する資産圧縮に加え、カウンター・パーティ・リスクの顕在化と投資銀行・ヘッジ・ファンドの巻き戻しによる資産圧縮圧力が世界の金融・資本市場に当分の間のしかかり続けるでしょう。
米国ではまだ関脇・横綱が、ヨーロッパでも大関・横綱が残っている筈です。
これは メッセージ 1 (may7idaho さん)への返信です.
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