死を想う②水木しげるさんの場合
投稿者: perspectiveworld 投稿日時: 2003/06/07 03:38 投稿番号: [1778 / 8733]
◎ダカーポ・515号より
「死なない」お化けを描き続けた漫画家の生死観(抜粋)
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<戦時中は死を覚悟された?
「・・・ラバウルでは戦闘機に狙われて撃たれた事もあり、すごく怖かった。
死はすぐ身近にあったもの。でもねえ、宗教家が悟ったような事を自信ありげに言うでしょう。
ついぞ、そんな考えは浮かばなかった。真剣に考えたけど、決定打はなかったよ」
<戦地では現地住民と交流されてましたね。
「・・・絵の好きな軍医がいて、よく休ませてくれたんです。
戦地でなければホントのどかな楽園でしたよ。いつも暖かいし、作物はよく育つし。
そんな所にいると、頭はボーッとしてきます。ボーッとすると死なんて考えなくなる」
<復員後は死に対する考えが変わったと?
「4回ぐらい変わったかなあ。ひとつ言えるのは、戦争が終わって帰国してから、
水木さん(自分の事をこう言う)は不真面目になりました。死が身近に感じられなくなったからね」
<最近、自殺する人が増えてるんですが。
「分らんでもないねえ。世の中つまんないから。
水木さんみたいに好きな事して金もうけできればいいけど、そうはいかんもんね。
強い奴に虐げられたら、そりゃ死にたくなるよ。そうか、よし」
<どうしたんですか?
「水木さんが南の島へ案内して差し上げますよ。あまり大人数では現地に迷惑だから少人数でね。
でも、ウンコ、小便は平気かなあ」
<ハア?
「水木さんはどこでもできる人だから。大地に野グソです。そのクソを動物が食べ、
その動物を人が食う。幸い土壌は肥えてるから、作物は何でも育つ。
自分が食べる物だけ作る暮らし。気候は温暖で頭はボワーッとする。いい加減に生きましょうよ」
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水木しげるさんの描くお化けが全然怖くなく、むしろ親しみこそ感じてしまうのは、
激戦地で片腕を失う程の目に会いながらも、そんな生死観をひょうひょうと語る、
氏ならではの人柄がそのまま作品に表れているからなんだろうな。
彼らも時々戦ったりはするけど、それでもなんか「平和」っぽいんだよね、あの世界って。
これは メッセージ 1777 (perspectiveworld さん)への返信です.
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