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攻撃兵器の全廃

投稿者: minanarou 投稿日時: 2003/02/25 21:22 投稿番号: [105 / 8733]
  おりしも5月16日、アメリカ大統領ルーズヴェルトは、重要な軍縮提案を世界44カ国に対して行った。すなわち、爆撃機や戦車といった攻撃兵器の全廃を提案したのである。

  そして翌17日、ヒトラーはこれに呼応した形で、いわゆる『大平和演説』を行った。

  「ドイツは、たとえ完全に成功する場合であっても、ヨーロッパにおける軍事行動が、利益よりも犠牲をもたらすことを知っている。それゆえ、ドイツは安全保障の確保のみを念じ、いかなる不戦条約にも賛成する用意がある」ヒトラー首相は、マイクに向かって声を張り上げた。「しかし、その前提として、隣邦の軍縮を要求する。ドイツは、国家間の平等を常に要求する。隣邦が軍縮に着手せず、ドイツに一方的に不平等な軍備制限を押しつけて圧迫し続ける限り、ドイツは軍縮会議にも国際連盟にも止まりえず、独自の道を歩むこととなるだろう」

  欧州各国は、この演説を聞いて大いに安堵した。ドイツの新しい指導者を、平和主義者だと思いこんだのである。ヒトラー氏は、党の綱領と著書での主張(東方植民地政策とフランスへの復讐)を全面的に修正したのだと。だが、彼らは演説の前段に気を取られ過ぎ、事の本質を見落としていた。ヒトラーの本心は、演説の後段にあったのだ。

  そのためか、各国は肝心のルーズヴェルト提案について真剣に検討しようとしなかった。欧州の一般軍縮は見送られ、ドイツは、依然として差別的制限軍備の対象であり続けた。

  こうして、ドイツの再軍備は道義的に正当化され、世界戦争への扉は、音を立てて開かれたのである。
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