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殺人事件は年間に1件だけ?

投稿者: dorawasabi5001 投稿日時: 2009/09/17 00:46 投稿番号: [16253 / 17759]
いいな、ノルウェー・・自殺者も激減、犯罪者にも出所時には【仕事と住居】だから再犯率は低い、死刑も無期懲役もない。

比して米では、万引き三回でも無期懲役だそうで・・・刑務所満杯。


日本は先進国中で殺人など犯罪がとても低いのに【厳罰化】だって。


★ 森達也   リアル共同幻想論 【第27回】


殺人事件は年間1件だけ!?ノルウェー紀行


・・この日の夜に会ったノルウエーの・・(日本でいえば法務省)の高級官僚である・・(愛称はパイク)は、「なぜノルウエーでは厳罰化が進まないのか」との僕の問いに対して、

「犯罪者のほとんどは、貧しい環境や愛情の不足などが原因で犯罪を起こしている。ならば彼らに与えるべきは罰ではない。良好な環境と愛情、そして正しい教育だ」とにこにこと微笑みながら断言した。


「もちろん、少数ではあるが、とても邪悪な魂を持ってしまった犯罪者もいる。でもならば、彼らに罰を与えても意味はない。この場合は治療しなければならない」・・・



  他のヨーロッパ諸国の多く(例外はベラルーシだけ)と同様に、ノルウエーには死刑も無期懲役もない。


ずいぶん前に廃止された。懲役は最高刑で21年。


どんなに凶悪な事件の加害者だとしても、これ以上は求刑されない。


ところが再犯率はとても低い。なぜなら懲役を終えた囚人は、住まいと仕事が保障されることが、出所の条件になるからだ。もしもこの条件が満たされない場合には、国が住まいと仕事を保障する。


「もちろん大きな事件が起きれば、ノルウエーでも強い罰を与えろとの世論が沸く。特に最近はその傾向が強い。でも考えてほしい。最高で21年の刑期を終えて、着の身着のままでいきなり世の中に放り出されても、また結局は犯罪に走るしかない。それは彼の処遇のための予算も含めて、国家にとっては大きな損失だ」


  たとえば介護疲れの殺人事件。社会保障が完備されていれば起きるはずがない。昨年起きた秋葉原の大量通り魔殺人事件。あれもノルウエーでは起こりえない。なぜなら非正規雇用の問題がないからだ。保険関係はすべて国と国民との関係で成立しているから、正社員とかアルバイトなどの区分けの概念はとても薄い。・・


  他にも(クリスティへのインタビューも含めて)刑務所や裁判所など、司法や刑事行政の現場をいろいろ取材した。


刑務所では多くの受刑者たちとランチを食べた。所長も当たり前のように同席して、受刑者たちと冗談を言い合っていた。


受刑者たちの個室にはテレビが置かれていて、共同のキッチンには包丁もあった。インターネットも使えるし、家族に電話することもできる。刑務所内には学校や職業訓練校が併設されていて、受刑者たちはここで仕事の技術を身につける。


  刑務所の取材に同行したクリスティは、傍らを歩く僕に、微笑みながら何度も言った。


「モンスターがいたかい?   いたなら教えてくれ」


  国が出所者に提供する住宅も取材した。


一般の人も暮らしている共同住宅だった。すぐ横には幼稚園があって、多くの子供たちが遊んでいた。


加害者と被害者や遺族たちとが、一般市民の立ち会いのもとに、裁判の前に互いに話し合い、和解を模索する対立調停委員会というシステムも取材した。つまり修復的司法の発展形だ。


  知れば知るほど、この国との違いを実感した。


  帰国してからも、ずっと考え続けている。実際の治安状況はそれほど変わらないのに、この国とノルウエーの刑事司法行政がこれほどに違うその理由を。そして人々が穏やかで優しい理由を。


  まだ結論は出ていない。何となくはわかるけれど、でもまだ明確な言葉にはできない。だからもう少し考える。


  たぶん彼らに訊けば、「どう考えたってこっちのほうが合理的だと思うけれど。悩む前に実践すれば?」と言われるだろうな。
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