ドルとアジア通貨の間で揺れ動く日本
投稿者: T_Ohtaguro 投稿日時: 2005/11/11 00:09 投稿番号: [13060 / 17759]
ドルが弱体化すると、米国債は売られて米国の金利は上昇し、
世界からの借金によって消費が牽引してきた米国の経済発展のメカニズムは崩壊する。
これとともにアジア各国の対米輸出も減じるが、長期的には中国やインドが米国に変わる消費市場として登場しつつある。
米国の中国に対する人民元切り上げ圧力は、一方で米国自身の首を絞めているともいえる。
中国がドル・ペッグをやめることはドルの基軸通貨としての地位の弱体化につながるからだ。
世界がドルを買わなくなると、米国は国債を発行して軍事予算を組むこともできなくなる。
また、人民元の切り上げで中国の対米輸出が減るということは、
それだけ米国経済を牽引している消費の減退につながる。
6000億ドルを超え日本に次ぐ世界第二外貨準備高をもつ中国は、
ドルに対する懸念から昨年に外貨資産のドルの保有割合を8割台から7割台に下げている。
また、ロシアもドルへのペッグからユーロを含む通貨バスケット制への移行と、
近い将来にはドルよりもユーロ中心でいくことを表明している。
韓国も保有する外貨の多様化傾向を強めている。
最近、日本でもドル離れが話題となった。
小泉首相は国会答弁で「投資先の分散は必要」と発言。
このため、日本の金融当局がドルを売ってユーロなどを買う動きを強めるのではないか
という思惑からドルが急落した。
その後、当局は「ドル売りに動くつもりはない」と沈静化させたが、
日本がドル売りを指向しているのではないかという懸念は残っている。
膨大なドルを備蓄している日本、中国、韓国などのアジア諸国は、
ドル相場を崩壊させると自身にも火の粉がふりかかるからドルの売り逃げはしたくはないが、
世界がドルを売り逃げる中で、自分たちだけが暴落したドルを保有し続ける
というババはつかみたくはない。
もっとも、最近の過剰ともいえる日米同盟重視の日本が、
どこまでドル離れか可能かは疑問といわざるを得ない。
今後、日本はドルとアジア通貨バスケットとの間で揺れ動くことになる。
米国の覇権の弱体化は必至である。米国は冷戦の勝利で軍事関連技術を経済活動に取り込み、
ITと金融取引で優位に立ち、世界経済の基本的枠組みを主導した。
世界最大の債務国でありながら、基軸通貨ドルを世界に循環させることで、産業の資金需要にこたえ、
株価を急騰させ、あくなき国民の消費欲を高めることで成長を引っ張り、一国繁栄を謳歌してきた。
しかし、ブッシュ政権の登場で完全に行き詰った。
超大国の覇権は、軍事力、通貨や経済力、さらには文化的影響力などからなるが、
軍事力ではイラク一つ処理できないし、
そのイラク戦争以後は米国は世界中の人々から毛嫌いされて文化的影響力も喪失しつつある。
そのうえ、戦費が嵩んで財政を圧迫しドルの弱体化も進む一方だ。
世界は多極化の傾向を強めている。
EUはそれを見越して中国との連携を探っており、
米国の猛反対を押し切って中国への武器禁輸解禁を進めている。
ロシアも自国のエネルギー資源を武器に中国やインドとの結びつきを強めつつある。
南米でもブラジルやベネズエラが米国離れと中国への接近を強めている。
南米各国はウィン・ウィンの関係を築こうとせず
利益を独り占めにする米国支配への不満が極限まで達している。
そうした中で、日米同盟による対米従属の強化をはかる日本は、
アジア周辺国との関係悪化にあくまで鈍感である。
すでにアジアは日米抜きでの結束の兆候を示しており、
これに伴って中国やインドの影響力が拡大しつつある。
米国の衰退後に、日本が大きな顔をして
“入亜”を実現することは不可能であることを今、真剣に考えるべきである。
(『政策フロンティア』2005年4月号掲載)
世界からの借金によって消費が牽引してきた米国の経済発展のメカニズムは崩壊する。
これとともにアジア各国の対米輸出も減じるが、長期的には中国やインドが米国に変わる消費市場として登場しつつある。
米国の中国に対する人民元切り上げ圧力は、一方で米国自身の首を絞めているともいえる。
中国がドル・ペッグをやめることはドルの基軸通貨としての地位の弱体化につながるからだ。
世界がドルを買わなくなると、米国は国債を発行して軍事予算を組むこともできなくなる。
また、人民元の切り上げで中国の対米輸出が減るということは、
それだけ米国経済を牽引している消費の減退につながる。
6000億ドルを超え日本に次ぐ世界第二外貨準備高をもつ中国は、
ドルに対する懸念から昨年に外貨資産のドルの保有割合を8割台から7割台に下げている。
また、ロシアもドルへのペッグからユーロを含む通貨バスケット制への移行と、
近い将来にはドルよりもユーロ中心でいくことを表明している。
韓国も保有する外貨の多様化傾向を強めている。
最近、日本でもドル離れが話題となった。
小泉首相は国会答弁で「投資先の分散は必要」と発言。
このため、日本の金融当局がドルを売ってユーロなどを買う動きを強めるのではないか
という思惑からドルが急落した。
その後、当局は「ドル売りに動くつもりはない」と沈静化させたが、
日本がドル売りを指向しているのではないかという懸念は残っている。
膨大なドルを備蓄している日本、中国、韓国などのアジア諸国は、
ドル相場を崩壊させると自身にも火の粉がふりかかるからドルの売り逃げはしたくはないが、
世界がドルを売り逃げる中で、自分たちだけが暴落したドルを保有し続ける
というババはつかみたくはない。
もっとも、最近の過剰ともいえる日米同盟重視の日本が、
どこまでドル離れか可能かは疑問といわざるを得ない。
今後、日本はドルとアジア通貨バスケットとの間で揺れ動くことになる。
米国の覇権の弱体化は必至である。米国は冷戦の勝利で軍事関連技術を経済活動に取り込み、
ITと金融取引で優位に立ち、世界経済の基本的枠組みを主導した。
世界最大の債務国でありながら、基軸通貨ドルを世界に循環させることで、産業の資金需要にこたえ、
株価を急騰させ、あくなき国民の消費欲を高めることで成長を引っ張り、一国繁栄を謳歌してきた。
しかし、ブッシュ政権の登場で完全に行き詰った。
超大国の覇権は、軍事力、通貨や経済力、さらには文化的影響力などからなるが、
軍事力ではイラク一つ処理できないし、
そのイラク戦争以後は米国は世界中の人々から毛嫌いされて文化的影響力も喪失しつつある。
そのうえ、戦費が嵩んで財政を圧迫しドルの弱体化も進む一方だ。
世界は多極化の傾向を強めている。
EUはそれを見越して中国との連携を探っており、
米国の猛反対を押し切って中国への武器禁輸解禁を進めている。
ロシアも自国のエネルギー資源を武器に中国やインドとの結びつきを強めつつある。
南米でもブラジルやベネズエラが米国離れと中国への接近を強めている。
南米各国はウィン・ウィンの関係を築こうとせず
利益を独り占めにする米国支配への不満が極限まで達している。
そうした中で、日米同盟による対米従属の強化をはかる日本は、
アジア周辺国との関係悪化にあくまで鈍感である。
すでにアジアは日米抜きでの結束の兆候を示しており、
これに伴って中国やインドの影響力が拡大しつつある。
米国の衰退後に、日本が大きな顔をして
“入亜”を実現することは不可能であることを今、真剣に考えるべきである。
(『政策フロンティア』2005年4月号掲載)
これは メッセージ 13055 (tsuyuakesenngenn さん)への返信です.
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