何故、嫌いな日本人に成り済ますのか?

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藤原三兄弟

投稿者: rie2378 投稿日時: 2012/02/25 06:53 投稿番号: [6182 / 6355]
先週に続いて源平物を

藤原三兄弟

奥州に向った義経一行は、平泉の都に入ると
その足で当主秀衝の元に出向いて行った

義経はこの時すでに名を、遮那王から源九郎義経と
改めている

御屋形様には、初めて御尊顔を拝し奉ります
今は亡き源義朝が九男、九郎義経で御座います

御厚情に甘え、かく参上致しました
宜しく御引き回しの程、御願い申し上げます

想像以上に凛凛しい義経の若武者振りに、秀衝は
愕きと嬉さを隠せなかった

何と、まるで絵巻物から抜け出た如き
武者振りではないか

源氏の行く末は、この若武者にかかって
いるやも知れぬ

御曹司、よくぞ御無事で参られた
長旅でさぞ御疲れであろう
暫し静養なさるがよい

入用の物あらば、何なりと申されよ
ここを我が館と思い、遠慮は御無用に
願いたい

慈愛に満ちた秀衝の眼差しに、義経は父の面影を
見る想いであった

数日後、義経主従を持てなす酒宴の席が設けられた
秀衝の息子達三兄弟が紹介されたのは、この時で
あった

長男の国衝   (くにひら)   腹違いの二男泰衝
(やすひら)   同じく三男忠衝   (ただひら)

義経殿、我せがれ達じゃ、そなたの良き
相談相手になるであろう

何事も包まず、肝胆相照して共に歩まれよ

ははー!   何かと不調法多く、御三方には
造作を御掛けしますが、この義経力の限り
精進つかまりまする

この言葉にたがわず、馬術に武芸に鍛錬を重ねる
義経を、三兄弟は三者三様の思いで見つめていた

国衝は微妙な立場にいた、長男ではあっても母の
身分が卑しく、家督を継げない事は分かっていた、

頼朝が正室の息子であった為、二人の兄を
差し置いて家督を継いだのと同じである

何れ泰衝が家督を相続する
泰衝に逆らうのは得策ではない

義経殿にも、当たり障り無き様
御付き合いする他はあるまい

泰衝は違った

父上の義経殿   御贔屓は目に余る

幾ら源氏の御曹司とは言え
こちらも、名門藤原氏の家柄

何ゆえ、風下に立つ必要があろう  
この泰衝当主の暁には、即刻御退去願うべし

しかし理解者もいた、義経を一番好意的に
見ていた三男忠衝である

さすが源氏の御曹司、武術   軍略   馬術  
どれを取っても、その力量計り知れぬ

この御方、並み居る源氏の諸将を差し置き
大武勲を立てられるに相違ない

義経もこの忠衝と気が合った、二人して早駆けを
繰り返し、小高い丘に登っては合戦の戦法を
競い合っている

この時の思惑が、義経二度目の奥州入りにおいて
兄弟達の行動を決定付けたのであった

ともあれ奥州での五年の歳月は矢の様に流れ
頼朝挙兵が迫っていた

義経が勇躍時を得て、時代の寵児になるのも
間近であった
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