遮那王
投稿者: rie2378 投稿日時: 2012/02/18 07:56 投稿番号: [6171 / 6355]
今回から数回に分けて義経を中心とした
源平物を
遮那王(しゃなおう)
春の息吹が心地良い弥生三月のある夜
鞍馬山の義経の元にある僧が尋ねてきた
源氏ゆかりの修行僧で名は正門坊
牛若殿、鞍馬の修行は如何で御座るか
東光坊様に伺し所、会得する事
尋常ならざる早さとか
さすが、源氏の御曹司と感服しておりまする
御曹司、義経には初耳だった、別当殿にはただ
源氏に繋がる家柄と聞かされているだけで
あった
それだけでは御座いません、兄上の頼朝殿は
伊豆におられます
今や平家討伐の機運高まり、諸国の源家が
一斉に蜂起するのは時間の問題でありましょう
兄上が伊豆に、それは誠で御座るか
義経はこの時初めて、己の出自と世の情勢を
知る事になった
もしこの牛若が、源氏の嫡流ならば
如何にしても、平家を打ち滅ぼさん
それから義経は、人が変わったように武術の
鍛錬に時間をさくようになった、万が一の
合戦にて後れを取る事のなきよう
夜な夜な貴船神社に出向いて、源氏安泰の
祈願をすると。辺りの木々を平氏に見立て
黄金の太刀を振りまわし技を磨いていった
鞍馬の御山には天狗と神童がいる、そんな風評が
京の町を駆け抜けていった
名も遮那王と改め、出家を勧める東光坊には
丁重に断っている、武蔵坊弁慶などとの
出会いもあり平家打倒の一念は益々盛んであった、
金売り吉次が尋ねてきたのは、そんな頃であった
京と奥州を行き来し金の商いをする者で、奥州の
藤原氏とも意を通じていた
藤原家当主秀衡が、義経に興味を持っている事
源平の合戦あらば奥州勢揃って源氏に合力するなど
事細かく話して聞かせた
御曹司、ぜひ奥州へ行きなされ
藤原十八万騎、悉く御味方になりましょう
この吉次が同行して案内つかまりまする
義経の決断は早かった、数日の内に郎党従えて
奥州に旅立った
途中平家の監視が厳しく、苦労の末奥州に辿り
ついたのは安元一年、義経十七歳秋も深まった
頃であった
これは メッセージ 1 (bei*wol*11*jp さん)への返信です.
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