五稜郭
投稿者: rie2376 投稿日時: 2010/04/03 07:43 投稿番号: [4689 / 6355]
今週から幕末物を3本ほど投稿します
まずは土方歳三を
五稜郭
明治二年一月、榎本武揚を総裁とする
蝦夷共和国が成立し本拠地、函館五稜郭は
祝賀気分に包まれていた
外国の公使を招き、連夜の祝宴が催され
あたかも新国家建設が成就したかの
ようであった
しかし陸軍奉行並、土方歳三は冷めていた
共和国は砂上の楼閣に過ぎない、軍備も劣り
攻勢を受ければ一気に崩壊する
土方の危惧は早々に現実のものとなった
僅か数ヶ月後新政府軍、大挙して
北海道上陸の報が飛び込んで来たのである
ついに来たか
軍事を取り仕切る土方は、動揺する兵士に
激を飛ばす
うろたえるな、備えは万全である
共に血路を開こうぞ
土方は冷静であった、そしてやがて来る
終焉を予期していた 新撰組で共に戦った
斉藤一を呼び別離を告げる
斉藤君、君は多摩に帰ってくれ
何と言われる、それは出来ません
何の為に今まで共に戦って来たのか
到底承服し兼ねる
よく聞いてくれ、斉藤君
君以外いないのだよ
新撰組の生き様を伝えられるのは
我らがどう戦い、どう死んでいったか
帰って皆に伝えてくれ
いいか、これは命令だ
土方さん、
新撰組屈指の剣客として、数々の
修羅場を戦ってきた斉藤一は
多摩に戻った後警察に奉職する
退官すると教職に転じ、新撰組に
関する書物を残して七十一歳の
天寿を全うしている
新撰組では、数少ない生き残りであった
明治二年四月、函館ではすでに総攻撃が
始まり、共和国軍は次第に追い詰められ
土方は敗走する兵士を押し戻し
自ら抜刀して敵陣に切り込んでいった
近藤さん、私は最後まで戦う
それが武士としての誇りであり
新撰組副長しての務めでもある
武士より武士らしく、私は信念に従う
もうすぐ会えるだろう、見ていてくれ
近藤さん
この戦いで銃弾を受けた土方は、波乱に
富んだ三十五年の生涯に幕を閉じた
武士より武士らしく、この強烈な美学に
殉じた侍(さむらい)の壮絶な最後であった
これは メッセージ 1 (beiowolf119jp さん)への返信です.
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