何故、嫌いな日本人に成り済ますのか?

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本能寺

投稿者: rie2376 投稿日時: 2010/03/13 07:51 投稿番号: [4589 / 6355]
信長物、最後はやはりこれ

本能寺

天正十年六月二日、朝靄の煙る京都本能寺で
異変が起きようとしていた、軍馬のざわめきと
水色桔梗の旗印が本能寺を取り囲んで
いたのである

物見によってこれを知った森蘭丸は
直ちに信長の寝所へ急いだ

上様、一大事で御座います

蘭丸か、如何致した
何やら騒がしいが

ははっ   惟任日向守   明智光秀様
御謀反の様子

何、光秀謀反と!

信長はにわかには信じられなかった
あの何事にも慎重な光秀が謀反とは

あれに見えるは桔梗の紋所、明智様に
相違御座りませぬ

門前ではその光秀が、馬上より口上を述べる

右大臣公に申し上げ候ろう   惟任日向守
明智光秀、これに参上仕って御座る

此度は遺恨による謀反にあらず
天命により義を果たさんと
するものなり

御政道に疑念の儀これあり
神仏を軽んじ内裏を疎かにするは
犬畜生にも劣るべし!

よって天に代わり、逆臣を討つものなり!

光秀の胸中をよぎるのは怨嗟の情か
それとも朝廷と共に王政復古か

信長は光秀の口上に聞き入っていた
不思議と怒りの情は湧いて来なかった

あやつらしい
上手い理屈を言う

傍で控える蘭丸には、信長の冷静さが
異様に思えた、何としても落ち延び
謀反人、光秀を討ち果たすべし

上様、血路はこの蘭丸が開きます
何卒御支度を

無用じゃ、あの光秀に抜かりはあるまい
恐らく、十重二十重(とえはたえ)に
囲まれていよう

余の寿命も此れまでじゃ、天命とあらば
それも止む無し

されど、光秀に一矢報いて呉れようぞ

蘭丸、槍を持て!

信長は手渡された槍を手に寄せ手と刃
(やいば)を交える、しかし多勢に無勢
ややあって

今生の名残りに、一さし舞を使わそう

人間五十年   下天の内をくらぶれば
夢幻の如くなり
一度生を得て   滅せぬ者のあるべきか

最後の敦盛を舞った

もはや本能寺は火の手が上がり
信長を守る手勢も次々に倒れ
最後の時が迫っていた

光秀、余を討った後、難儀するであろう
権六   (勝家)   家康が黙っていまい

一足先に冥土に参る、さらばじゃ!

信長は燃え盛る火の海に身を投じ
波乱に満ちた生涯に幕を閉じた

信長を討ち天下人となった光秀も
本能寺から僅か十一日後、思いもかけぬ
秀吉の大返しに逢い、山崎の合戦で
破れ、非業の最後を遂げる

光秀の謀反の動機は、怨恨、野望
黒幕による傀儡と諸説入り乱れ
定かではない

ともあれこの本能寺の変によって
天下は激震し、百姓大名と異名を取る
秀吉の天下取りが始まるのである
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